飴の方がいいとは限らない(魔法連載)
ハロウィン企画で番外編です。
主人公は男の子設定となっておりますので、
女の子の名前で変換をした方はお手数ながら男の子の名前で登録願います。主人公の名前が男の子でなくても構わない場合はスルーしてください。
───
ふ、ふざけるなぁぁああああ
今日はすがすがしい朝ですね、とレノアは言いたかったが、言えなかった。
目が覚めて口からでた第一声が、叫び声など目覚めが悪すぎて適わない。
「ドラコっ!!これはどういう事だ!?」
「い、いや。ぼ、ぼぼ、僕じゃない。グレンジャーがいけないんだよっ。アイツがお、脅してきたんだからっ!!」
ハーマイオニーか。レノアは今はここに居ない彼女に対して舌打ちをする。横でドラコがビクッとするのを感じたがレノアはそれどころではない。
レノアの般若のような顔にドラコは生まれてきた事を後悔しはじめた。レノアが怒ったら怖い事は百も承知であったが今回は規模が違う。
彼は怒っても自分に怒ったりはしないのに、とドラコは自分の身を守るように自分で自分の身を抱きしめた。
さて、彼。つまりレノアが何故怒っているのかといえば、彼の容姿が普段と違うものにされているからであった。
猫耳。ふんわりスカートからのぞくのは猫の尻尾。極めつけは幼児化。もともと中性的な顔立ちなだけにとても愛らしく、見るもの全ての庇護欲をそそった。
しかし彼はそんな事を望んではいない。仲のいいハーマイオニーでさえ許しはしない。
彼女の魔法は本人しか解けないような複雑なもので、レノアはハーマイオニーを探すしかなかった。
「ハーマイオニー。身の安全を思うなら今すぐ出てこいっ!」
魔法で喉をメガホンのようにし、グリフィンドール寮に向かって叫んだ。その様子を近くで見た生徒たちは「可愛い」「萌え」などと意味の分からない事ばかりを呟きながら廊下を通っていった。
「あら、レノアじゃない。どうしたの?似合うわよ?」
「どうしたもこうしたも、何でこんな魔法をっ!!」「ふふふ。レノアったらね。トリックオアトリートって言っても起きなかったのよ?だからイタズラよイタズラ」
「確信犯だろ。」
おほほと笑うハーマイオニーを睨むもののレノアは何も出来ない。
「今日一日はその魔法切れないからせいぜい可愛がってもらいなさい?」
魔女だ。目の前に魔女がいるよ。レノアは目の前の女性を始めて恐ろしく感じた。流石は魔女だなんて言っていられない。わが身の安全が第一だ。
レノアはそこを逃げるように去ると、寮に戻った。このような様では授業にも出られない。
自室に閉じこもったのだが、何故かそこにはフレッドとジョージが居た。顔を引き攣らせる。
「姫じゃないか」
「おやおや、姫。いと可愛らしいですな」
じりじりと迫ってくる双子。そして背後には壁。
「ひゃうっ」
耳を触られた。変な声が出る。
「おい、相棒。これはまずい」
「あぁ。相棒。これはまずい」
「「男色家になってしまいそうだ」」
その台詞に貞操の危機を感じた。
皆だいっきらいだっ!!!レノアは自室も飛び出す。さてどうしよう。行くあてのないレノア。仕方なく向かうは校長室。
「レモンキャンディー」
合言葉を唱える。
「おやおやこれは、可愛いお嬢さん。どうしたのかね?」
女の子扱いされたのはこの際無視だ。
「かくまってくれ」
「ほほう。ミス・グレンジャーは優秀じゃの。よってグリフィンドールに20点」
「ちょ、じいさん入れすぎ」
「ん?フレッドとジョージの二人を呼ぶとするかのぅ?」
飴の方がいいとは限らない
(申し訳ございませんでした。俺が悪ぅござんした)
(ふぉっふぉっふぉ。)
(このタヌキじじいめ)
(ん?)
(いえ。何でもありませんよ。)
2010/11/02
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ハロウィン企画という事で2日遅れのハロウィンです。
女装男子は四字熟語です←
ハーマイオニーはイタズラっ子だったらいいな。
そしてドラコ、ごめんね。扱い酷すぎたね。
2010/11/02
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