ほうり投げた球の行方(黒ばす 黄瀬)
「ねぇ、黄瀬くん。ちょっといい?」
「何っスか」
どきりとした。彼女に、ばれてしまったのだろうか。
毎朝毎夕彼女のシューズロッカーを確認してること?いや、もしかしたら彼女の体操服姿を舐めるような視線で見てたことがバレた?度重なる盗撮?思い当たる節が多すぎて冷や汗が止まらない。
彼女は芸能関係に疎い。俺のことなんて興味ない彼女から、愛の告白だなんてことはありえないから、やはり良くないことだろう。
着いてきて、と言った彼女の後をついて行った先には、お馴染みの体育館があった。何故ここに?
あれ?心なしか頬が桃色に染まってないか?少し期待した自分の心臓が体中に血液を送り出す音がうるさい。彼女にも聞こえてしまいそうだ。
彼女はおもむろにバスケットボールを取り出して言った。
「私にバスケ…教えてくれないかな?」
「はい?」
ほうり投げた球の行方
(え、ちょ、どーゆーことっスか?観月っち。説明して下さいよ)
(弟がね、バスケ始めたからその練習相手をしなきゃいけなくなって…)
(………弟)
120826
不憫な黄瀬を書こうとして失敗
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