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好き≠嫌いじゃない(魔法 ジョージ)



うぬぬ。

机に肘をついて頭を抱える。長時間考えこんでいたせいか肘と腰が痛い。

「おいレノア。まだ考えてんのかよ」
「悪いか、このヤロー」

フレッドが通り様にニヤリと笑って言った。五月蝿い。だいたい何で図書館に来てるわけ?アンタ図書館に来るような人間じゃないでしょ。

「ジョージの趣味は熟知してるぜ?」
「アンタの手は借りないから」
「ふーん。」

いかにも、納得していませんという顔をしながら奴は去って行った。フレッドが構ってくるのは私の気持ちを知ってるから――――だと思う。

ちょくちょくからかいに来ては私を苛立たせるだけ苛立たせて去って行く。アイツは本当にグリフィンドールなのかと疑いたくなる。

「あ゙ー。どうしよう」
「あれ?レノアじゃん」
「ハリー!!久しぶりー。ドラコに虐められてない?というよりドラコ虐めてる?」
「はは、仲良くさせてもらってるよ」

色んな意味で、というハリーに寒気を感じたのは私だけじゃないと思う。私の弟に一体何をしているのだろうか…

「それで、レノアは何を―――」
「あぁっ!これは見ちゃダメっ!!」

机を覗きこむようにしたハリーから急いで紙を隠す。

「貴方の事が好き―――までしか読めなかったから大丈夫だよ」
「それ、私が書いた全部なんだけどっ!!絶対ジョージに言わないでよっ!?」
「へぇ、ジョージ宛なんだー」
「ち、違うよ?ジョージ・クルーニーに書いてるんだよ?双子の方なんかじゃないからねっ!!」
「分かったってば。まあ、頑張ってね」

墓穴を掘った私に対し、ハリーは先程のフレッドのような笑みを浮かべて去った。

どいつもこいつも…。と羽ペンの羽をちぎって八つ当たりをする。

修正のきかないものだからくしゃくしゃに丸められた羊皮紙がそこらじゅうに散らばっている。マダム・ピンズに見付かったら怒られるだろうなー


「何やってるんだ?」
「何ってジョージへのラブレターを書いてるに決まってるでしょ!」

やけくそになって半ば叫ぶように言った。

「へぇ。オレにラブレター?オレも罪な男になったもんだぜ」
「―――は?」

ガバッと振り返るとそこにはジョージ本人が居た。

「ジョージってのはジョージ・クルーニーでアンタじゃないからっ。勘違いしないでよ」
「知ってる」
「なっ、ならいいんだけどね!」

「で?オレへの愛の言葉はまだ?」
「はい?」
「オレの事好きなんだろ?」

言いながらウインクをするジョージが鬱陶しいはずなのに格好よく見えてしまうのは、やはり惚れた弱みというものなのだろう。

「嫌いじゃない」

あぁ、ここで好きだと言える可愛い女の子になれたらいいのに。

八つ当たりに殴ろうとしたけどジョージにあっさり受け止められてしまって、そのままジョージの胸にぽすりとおさまった。

「ほら、俺の言ったとおり」
「やっぱりアンタ嫌い」



好き≠嫌いじゃない


(レノア姫は素直じゃないな)
(素直じゃなくて何が悪い)
(いや?いいよ。そういう所が好き)
(…っ!!)


―――――――

ジョージじゃない。これは違う人間だ。
本物のジョージはもっと素敵です。


あけましておめでとうございます。
2011年ですね。

今回読者の皆様にお年玉として
短編をいっきに掲載させていただきました。


2011/01/01




あきゅろす。
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