M・A・Y・O(銀魂 沖田)
「あ」
マヨネーズ使い果たしてしまった。観月はまるで人事のように言った。
「あーあ。俺は知りやせんぜィ?」
「いいよ、別に。」
だって土方が困るだけでしょ?と悪びれる事もなく言う彼女に沖田はニヤリと笑う。
「アンタのそういう所が好きでィ」
「ありがと。私も沖田好きだよ」
これまた無表情で言う彼女に、こんなに軽く好きだと言ってよいものだろうかと周りの隊士達は思ったが、これもいつもの事。沖田と観月の仲は不思議と良い。女を牝豚と見ている沖田が女と健全な仲というのは非常に珍しい。
「で。土方このヤローをどうしやす?」
「マヨネーズ作るのはどうだ?毒入りで」
「そりゃいい」
意気揚々としながらマヨネーズを作成。それを空になったボトルへと詰める。よし完璧だ。
「土方。マヨネーズを作ってみたんだが…食べてもらえないだろうか?」
男が好むと聞く上目遣いをしてみる。手作りマヨネーズとくれば土方も喜んで食べるだろう。さらに観月の上目遣い。毒入りだとは決して思わない。
と思ったのだが、土方はそのマヨネーズに手をつけなかった。流石、副長とも言うべきだろうか。
「何が、流石だ!!ふざけんなよこのヤロー。お前が上目遣いとか明らか毒入りじゃねーかっ!」
「な、何を言う。そ、そそ、そんな訳なかろう」
「明らかどもってるしーっ!!」
「観月。俺に任せなせェ。おい土方。食えっつってんだろこのヤロー!!」
沖田がおもむろにマヨネーズを取るとそれを土方の顔面に向かって噴射した。当然、事態を予想していた土方はよける。
飛んでいったマヨネーズの先にいたのは――――不幸にも山崎だった。突然の事に呆然としていたがしばらくして大慌てで服からマヨネーズを落としていた。
「あーあ。私のせっかくの手作りがジミーの服に食われてしまった。勿体ない」
「おい土方ァ。責任取りなせェ。」
「何でだよっ!!あきらか俺ら被害者だろっ」
額に青筋を浮かべた土方が怒鳴る。観月はその声量に顔をしかめた。
「うるさい。少し黙れ」
「ッ!!テメェそれが副長に対する態度か?あァ?」
「沖田。責任取って副長やめてもらうとかどうだ?名案だと思うが」
「テメェ、無視か?おい、無視なのか?」
「それは名案でィ」
「おい観月。切腹させっぞ」
「沖田。この副長をどう思う?」
「やめるべきに決まってやしょう」
「奇遇だな。私もそう思う」
「テメェらいい加減にしろ!!」
「「土方がやめればいい」」
「沖田が副長で私が副長補。それで万事解決だと思うのだが。異論のある奴はいるか」
観月があたりをぐるりと見渡した。誰も口答え出来ない。副長と1番隊隊長の前で誰が意見など言えよう。
「よし、土方。世の中は多数決だ。つまり沖田が副長で決定だ」
「上司の命令が優先に決まってるだろーが!!」
M・A・Y・O
(なあ、山崎。俺に人権ってねーのか?)
(僕は人権なんて認めてもらった事ありません)
(認めたくねェが同士だな)
―――――――
土方さんは基本いじられててほしい。
本当は土方夢を書きたかった。
でも、気付いたらギャグになりきれてないギャグになってしまった。
銀魂はキャラ崩壊を無くすの無理だと思う。キャラに忠実に行きたい私には向いてないな。
2010/12/30
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