なんて自分に言い聞かせてる。(時かけ 功介)
「クリスマスなんて嫌いだ」
「お前の事だからどうせ予定無いんだろ?」
「黙れ、医学部」
ノートを取りながらこちらにちらりと視線をやる功介に心が荒んでいく。笑いをこらえきれずにとうとう功介がシャーペンの芯を折った。そうだよ。どうせ私には予定が無いよ。観月は功介を睨みつけた。
「あんたは可愛いボランティア部の子と遊ぶんでしょ?いいよね。モテる奴は」
「は?何でアイツが出てくるんだよ」
「だって告白されてたじゃん」
「クリスマスは図書館に行く」
「なるほど。彼女と二人で勉強か。いいねぇ」
「違ぇーよ。」
今度は功介がこちらを睨みつけてきた。何?
「お前と、に決まってるだろ」
「ぱーどぅん?」
「お前のことだから冬休み勉強しないだろうと思ってクリスマスを空けてやった」
「あの…?功介さん?おっしゃっている意味がよく分かりませんが…」
「図書館でみっちり勉強見てやる」
この鬼畜野郎。悪魔。爽やか美少年だからって調子乗るなよ?
どれだけ私が喚こうとも功介は反応しない。とうとうハリセン教師が私に注意した。煩い、私は今忙しいんだ。
「おい、観月。てめー功介と仲良くしたいのは分かっけどうっせー」
「あ?」
声の主は斜め後ろの席。千昭だ。お前も顔が整ってるからって調子に乗ってるよな。
「おい、そこの馬鹿二人。うるせーんだよ」
馬鹿二人…。なるほど千昭と功介か。脳内で瞬時にそう思った。ハリセンも中々に分かる奴じゃないか。
しかし、馬鹿二人とは千昭と私の事を指しているのだ、とご丁寧にも功介が教えてくれた。失敬な。
「おい、功介。てめ、どういう意味だよ。オレとコイツ一緒にすんなよ」
「そうだそうだ。千昭の方が馬鹿だっ!!」
「真琴分かってるねー」
真琴がそうだろそうだろと、どや顔になった。
「はっはっは。私の観月は馬鹿じゃなくてアホなのさ」
「真琴!?」
それって千昭よりも下って事か?
「まあ観月。落ち着けって」
「功介。あんたのせいだって事分かってる?」
「とにかく、クリスマスは空けとけ。どうせ寂しい一人のクリスマスなんだろ?」
「…っ。余計なお世話です」
今度は私のシャー芯が折れた。
ほんと余計だ、このヤロー。
嬉しかったとか別にそんな事は思って無いから。うん。ふっ、と浮かべる笑みが格好いいとかそんな事は無いと思う。
なんて、自分に言い聞かせてる。
(おい功介。お前素直じゃないよな)
(千昭、お前人の事言えんのかよ?)
(…言えません)
(だろ?)
――――――
千昭とヒロインが功介にいじられてるといいな。で、千昭は真琴と功介にいじられてるといいな。千昭が真琴に片想いなチキンだといいな。
という私の理想です。
時かけが好きすぎてどうしようもありません。ごめんなさい。
2010/12/26
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