君と卵と時々オレ(オリジナル 大竹)
これは様々な所に登場する(予定の)オリキャラ、大竹君の夢です。苦手な方はご遠慮下さい。
「大竹君ー。今日ひま?」
そう言って首を傾げながらこちらを見た彼女は俺の片想いの相手。自己中心的な性格だと本人は言うが決してそんな事は無い。本当は人の事を自分よりも大切に思っているが、それを行動に移せないタイプ。だと俺は思う。
暇だ。と俺が返すと観月は笑みを顔に浮かべた。可愛い。
「今日、一緒にカラオケ行かない?暇で仕方ないんだ」
「まじ?行く行く。どこのカラオケ?」
「駅前の所とかどうかな?」
「あー。あの新しく出来たやつ」
「そうそう。結構いいみたいだよ」
「カラオケ久々だなぁ。」
よっしゃ。観月と二人っきりって事だろ?これはチャンスとしかいいようがない。
こっそり心の中でガッツポーズ。
「観月とカラオケなんて初めてだな」
「そういえばそうだね。昔からつるんでたからてっきり行った事あるかと思ってた」
にっこり笑う観月は可愛い。贔屓目に見ているかもしれないが可愛い。ルックスだけで言えば何処にでも居るような女子だが、性格が良すぎる。俺の中で可愛い女子といえば観月しか居なかった。
「大竹君?聞いてる?」
「ん?ああ。もちろん」
「大竹君の好きなものって何ー?」
その問いに、お前だよ。だなんて俺にはとても言えなくて。曖昧に好きな食べ物を答えておいた。あー、俺の馬鹿。
「観月は?」
「私?うーん…」
観月が頭を捻る。本気で悩んでいるようだ。そんなに真剣に考える事でも無いというのに。
「きみ……かな?」
え?
頭が真っ白になった。俺?本当に?
いや、でも観月が照れ臭そうにしているから確かなのかもしれない…。
え。俺自惚れてもいいのか?
「まじで?……俺も好き…なんだよな」
「本当っ!?分かってくれる人居たんだー。卵の黄身って美味しいよねっ」
「は?」
今、観月はなんと言った?
「だから。卵の黄身。大竹君も好きなんでしょ?」
キラキラと目を輝かせてこちらを見る観月に俺は何の言葉も発する事が出来なくなった。
なるほど。あまりにもパニックに陥ったため何処か納得してしまった。
黄身と君…ね。俺、馬鹿だ。浮かれた過去の自分を叱咤した。
「大竹君?どうした?」
「あ、いや。なんでもねぇ」
やっぱり卵は黄身だけあればいいと思うんだよね。白身は邪道だと思う。だなんて力説する観月がやっぱり好きだと思う俺は人と何処かずれているのかもしれない。
少しずつ観月と近付きたい。今度は黄身なんかに負けてやらない。君が好きだと言わせてやる。
君と卵と時々オレ
(黄身って凄いよね。マヨネーズだって黄身から作るんだし)
(…そうだな)
(大竹君も黄身好きだなんて嬉しいな)
(あぁ。“君”は好きなんだけどな)
―――――
私が大竹君好きなだけです。大竹君には一生片想いさせます。これ決定事項です。
片想いネタは書きやすいので、
書いちゃいます。
黄身と君の話のネタは父親の話から取りました(笑
お父様に感謝。
2010/12/24
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