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■本編08*

 今日はマコの洗濯当番の日だ。
 この時間は誰もいないだろうとミナトがマコの為に配慮してくれた。容姿の所為で虐められるマコにとって、知らない猫に会う事は死活問題である。

 洗濯ついでに水浴びをしていこうと思った。念のために辺りを見渡せば、川の流れる音や草木が風で揺れる音しかしなかった。それを聞いて気持ち良くなり、余計に水浴びをしたくなった。

***

「遅いな…」
 小屋の前でうろうろするミナト。
 服は二人の洗濯物を四日分まとめて洗う決まりだが、遅くても三十分もすれば戻ってきても良い筈なのに……一分、一秒でも心配だった。

 見に行こう、と思う頃にはもう行動に移していた。いつもの洗濯場所へ近付くにつれ、水の跳ねる音が聞こえて、マコのシルエットを確認して安堵する。
「遅いから心配したよ」
「にゃ!!?」
 後ろから突然声をかけられ、しゃがんで頭まで浸かった。
「…何で……あぁ、水浴びしてたのか」
 一方のミナトは一糸纏わぬ姿に驚いていた。
「………………………ぷはっ」
「お疲れ、大丈夫か?」
 クスクスと笑われ赤くする。今度は肩までを水に隠した。
「? 何で隠すの、オス同士なのに」
「けど! 見られたくないの」
「……見るなと言われたら見たいと思うのが心情だと思うけどね」
 そう言って、靴だけ脱いで水の中へ。
「に〜〜〜!?」
 マコは泳げないので、地面に足を付けながら逃げるように、水を必死に掻いた。
「マコ、遠くは危ないから」
 溺れている所を見ているミナトだから、内心焦りもあった。あまり挑発させないように声をかけるが。
「なら来ないで! 来たらもっと逃げるもん」
 とは言ったものの、その先はマコの身長より少し深くなっている。立ち往生して進めないでいる内に容易に捕まってしまったが、捕えた手をはね除け、後ろを向いてしまう。
「……見せられない傷や痕があるの?」
「違うよ」
「じゃあ何が嫌?」
 反抗期かと思ったが。
「分からないけど。恥ずかしい」
「恥ずかしい……」
 ミナトの耳がピクリと動いた。
「お兄ちゃんに見られると熱くなるの」
「俺に見られるとね……ふうん」
 ゆっくりこちらに向かせ、舐め回すように見た。
「い、言ったそばから…!」
「今も熱い?」
 俯いて正直に頷く。
「ふふ、俺もね……熱いよ」
「へ、お兄ちゃんも?」
「うん、マコの事見てると熱くなる」
 手を握られた。水に浸かっていたのにも関わらず、確かに熱くて……むしろ自分より熱いのではないかと思った。
「何でだろ」
「何でだろうね」
 真剣に考えてくれるマコが可愛くて仕方がない。
「にゃ」
 やんわりと抱き締め、背中を撫でる。
「マコの肌綺麗だね……」
 耳にポツリと呟いて、肩を震わせているのを見て面白がった。
 顔を上げさせ、
「食べちゃいたいな」
 そう面と向かって言った瞬間。
「………んっふっ!?」
 ミナトの舌が小さな唇を割って口内を掻き回す。
(食べちゃいたい……?)
 先程の言葉を頭によぎったが、ミナトによって遮られてしまう。
「っあ」
 舌を絡め端を準えられ、腰が粟立つ。感じたことのない感覚に驚き、止めてと叩く。
 もう少し堪能したかったが名残惜しく離した。マコは酸素を求めるも、上手く息継ぎが出来ない状態だった。
「おに、ちゃっ」
 息を整えている間に、ミナトは上だけ脱いでしまうと、もっと引き寄せ、肌同士を密着する。マコに嫌悪感は全くなかった。
 が、違和感はあった。
「あっ」
 咄嗟に離れ、カーッと頬を真っ赤にするマコの視線の先をたどった。
「あぁ、どうしたら良いと思う?」
 布越しにいきり立ったそれを、ミナトは何事もなかったように見ていた。
「マ、マコっどこか行ってるね」
「別に逃げなくっても、減るもんでもないし」
「でも……それって」
「マコはこの意味、分かるんだ?」
「ん、いやらしい事、考えるとそうなるんだよね?」
「……」
「違うの?」
 無言になったミナトに不安になる。
「マコもいやらしい事考える時があるんだ?」
「え!? 違っ」
 ミナトの顔を見て、遊ばれてるとわかり、困ったような、怒ったような複雑な心境だった。
「ごめんごめん。マコの口調で分かるよ……まぁ、俺は今いやらしい事、沢山想像してるけど」
「え? あ! あ、や、やっぱりマコどこか行って」
 ぎゅ、と手首を掴まれてしまい逃げそびれた。
「マコはまだないんだよね? こんな風になった事」
 掴んだマコの手を陰部の方へそっとあてがう。
「……!?」
「ね?」
「にゃ、にゃいよ〜。知らないオス猫がそういう風になってたら逃げた方が良いって、教えてもらっただけだよ」
 完全に舞い上がってしまい、ペラペラと聞いていない事まで喋る。
「だから、どこかに行こうとしたのか……でも、俺は知らないオス猫?」
 少し傷付いたように見せた。
「に、ごめんなさい。だって、だって……お兄ちゃんがそんな、そんなとこ、硬くするなんて」
 より押し付けると、マコの顔はもう真っ赤で喋るのも一苦労である。
「俺も立派なオスなんだから、ここも硬くなるに決まってる。マコだって分かるようになる」
「マコも……そうなるの?」
 さっきまで赤かった顔は一気に血の気が引いて、不安で一杯になっていた。
「じゃあ、マコも誰かを食べたくなるの? お兄ちゃんはマコの事、食べちゃうの? マコはどこかかじられちゃうの?」
 マコの中だけで、話がだんだん凄い方向へと展開される。
「…ん?」
「さっきはお兄ちゃんならって思ったけど、やっぱり恐いよ、血が沢山出るの……?」
 打ち明けた所為なのか、涙が溢れていた。
「待って待って。俺には話が見えない、どういう事?」

 いつの日か、義理の母に買い物を頼まれた時の事で、陰茎を露出したオス猫に出会い、見た感じが明らかに危なそうな猫で怖くて逃げたらしい。
「でも、気になってお義父さんに聞いたら『逃げないと、マコみたいな小さな猫は、可愛がられた後はすぐに食べられてしまうよ』って聞いたんだ」
「……」
 ミナトは今ので納得した。
「お兄ちゃんもさっき言ってたでしょ? 『食べちゃいたい』って、それで思い出して本当なんだ! って」
 本当に純粋過ぎていとおしくなる。
「だからね、いやらしい事を考えて、そこを硬くしてしまうと野生になって食べたくなるのかなって」
 勘違いをしているマコを余所に、ミナトは可笑しくてもう笑わずにはいられなかった。
「ん? ん? 何で笑うの?」
「マコがあんまりにも可愛いから」
 マコの片手を取り、甲を優しく撫でる。
「ん、違うって事? じゃあ逃げなかったらどうなるの? 何が食べたくなるの?」
「逃げないと、こうなるんだよ」
 かぶり付くように、キスをした。
「今後の為にも教えておかないと……ね」
 脇腹に両手を添えると、親指でぐり、と乳首を円を描くように撫で付ける。
「にゃっ…ぁ」
「マコのおっぱいは赤く熟れてて可愛いね。どう、気持ちい?」
 困った顔をしながらも頷いた。
「素直なマコにはもっと気持ち良い事してあげる」
 乳首に歯を立てようとするのを見て、マコは後ずさろうとした。
「にゃっ……や、やっぱり血が出ちゃうの!?」
「大丈夫。俺はマコにそんな事、絶対しないよ」
 そう言って、カリっと優しく噛む。
「にっ」
 マコは上体を少し反らす。
「ふふ、痛くないでしょ?」
 コリコリと転がしている間も、それぞれの乳首を手と舌でくすぐる。
「や、め」
「止めて欲しい?」
 何度も頷く。名残惜しそうに最後に一舐めすれば、マコは小さく喘いだ。
「マコのおっぱい美味しかったよ」
「美味しい、マコが? にゃっ……にいちゃ!?」
 ミナトは楽しそうに笑いながら、マコをお尻から抱え込み、川から上げて石に座らせたが、手はしっかりと握って離さない。
「ね、俺になら食べられても良いって言ったかな」
「言ったけど……?」
 まだ、あまり意味の分かっていないマコは微妙な返事をする。
「じゃあ大丈夫だよね」
 ジジ……と片手でファスナーを降ろして前を寛げると、自分のモノとは違う大きさに驚きを隠せないでいた。しかも、血管が浮き出て、まれに生き物のように勝手に動き、てっぺんからは何か溢れている。
「マコ、これも特訓だよ」
 繁殖するのに大事な事だから、と、マコの知らない言葉を呟き、握っている手を陰茎へ近付けた。
「掴んで」
「にゃ……ぅ?」
 直に触れれば、ぬるっとしていて、熱く脈打っていたもんだから、具合は大丈夫なのかな? と思い、こっそり顔を盗み見る筈が思いきり鉢合わせてしまった。
「ん?」
 覗き込まれ真っ赤になる。その頬を撫で付けるように何度も舐めると、自ら頬を差し出す。
「気持ち良かったの?」
 そう言われてはっとなり、耳を垂れさせた。
「ふふ、マコともっといやらしい事、したいな」
「にゃ…? っあ!」
 ミナトの体をマコの足の間に割り込ませると、陰茎同士を掴み重ね、手をゆっくり扱く。
「にっ、にゃっにゃっ」
 何をしているのか分からないが、マコは感じた事のない腰の疼きに足をもぞもぞと動かす。
 ミナトは次第に息が上がると同時に、手の動きも止まる事はなく加速し、陰茎も育ったかのように大きくなっていた。そして、白濁としたものが勢いよく飛び出た。
「に、ちゃ」
 白い液がマコの体に少し付着したのにも関わらず、尿の色ではなかった事に驚きを隠せず、更には涙目になって
「死んじゃいや〜」
 と、叫び出した。
「ふーふー……心配しなくても大丈夫だよ。マコも出るんだし」
「!? 死にたくない〜」
 表情がころころ変わるマコに思わず笑い出す。
「マコも俺も死なないよ?」
「本当に?」
「うん、だって気持ち良かったでしょ?」
 今度は顔を赤くさせながら、首を必死に横に振る。
「ふふ、またいやらしい事しようね」
 そう言って、乳首をツンと人指し指で突っついてから洗濯物の回収に向かった。

2009.09.20 完成
2012.01.30 追記

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