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■本編13*

 ここ一週間、ミナトの様子がおかしい。マコが甘えてきても、にこっと笑うだけで後は素っ気なく、相手にしてくれなかった。

 ミナトが拾って綺麗に修復したソファーに座りながら、マコは考えていた。本人は違うと言っていたが、『そろそろ捨てられちまうんじゃねぇ?』という知らないオス猫の言葉が蘇り、不安になっていた矢先……。
「エッチしよう」
「にゃ…!?」
 突然、脇から捕らえられてしまった。じたばたともがく中、よく見ればミナトは既に裸で。
「何で嫌がるの、俺に擦り寄って来てたよね?」
 ソファーを跨ぎ、マコを膝に乗せる。
「に。来てないよ」
「嘘付くの」
 服の上から胸の突起物の両方を磨り潰す。
「んっんーんー」
 マコは力が入らない上に、後ろから抱き竦められてされるがままだ。
「てっきり俺はいやらしい事して欲しいのだとばかり」
 しかし、マコにかけられた力は緩めない。言葉と行動がちぐはぐだった。
「溜まってるな」
 ぽつ、と呟く。既に涎を垂らしながらもぶんぶん首を横に振ってはそれを否定をする。そんな姿が可愛くてミナトは笑った。
「隠しても無駄だよ」
 下着に右手を忍ばせ、やんわりと袋を掴む。
「にゃぁ」
「久し振りだもんね」
 早くも下着ごと腿までずらし、煽るように揉み拉く。そして、陰茎をもう片方の手で掴み、親指でくるくると亀頭を撫でさすると小さな声で喘いだ。
「おに、ちゃん」
 下腹部にある両手を退けようとする。
「マコがいけないんだよ? ずっと誘って来るから。俺が発情してるってのに」
 抑えてたんだから、と笑いながら濡れた手を窄まりへ塗り込む。マコは顔を歪ませて少し気持ち悪そうにしながらも、質問をする。
「……な、に? それ」
「エッチしたくなる事」
 後ろから涎を舐め取った後、キスをする。

 二匹で街に出掛けたときだった。時期が時期だった為、ミナトは用心していたが、発情期のメス猫が近くにいたらしく、匂いに充てられ誘発してしまったようだ。常備していたまたたびでどうにか性欲を防いでいたものの、マコが寄って来るから根負けしてしまったと言う。

 マコは言われて、街を後にしたときのミナトの様子が少しおかしかった事を思い出して、すまなそうにした。
「に……ごめんなさい。マコ知らなくて」
 謝らなくていいよ、と再びキスをする。
「マコは発情してない?」
 入れっぱなしだった指が増えて奥を探る。
「ふにゃ、えっちしたいなんてならなかったよ」
 話と態度で分かるはずなのに、わざわざ聞くのもマコは素直に答えてくれるから、ミナトはつい意地悪をしたくなる。
「本当? 体がしんどくなったり、特にここが熱くなったり、してない?」
 剥き出しの陰茎を人差し指でつんとつついて的確に示した。
「にゃっ……にゃいよ、いつもお兄ちゃんが色々して、変になるだけ」
 マコは言ってから、かぁっと頬が熱くなった。
「俺がして変になるの?」
「うん……ぁっ」
 肉壁を指で強く押され、マコの体が跳ねる。
「そう、いつかマコが発情したら俺が相手するね」
 発情している所為か、色気が増している気がしてゾクっとした。
「しなくていい」
 じっと見てくるミナトがいたたまれなくて、耳を伏せ、体を丸くする。
「我慢出来なくなっても?」
 きっと、今マコは困った顔であろうと覗き込むが、隠されてしまった。
「恥ずかしいもん」
「いやらしいこと沢山してるのに?」
 うん、と控え目に頷く。
「可愛いね。これじゃあ楽しみだよ」
 伏せた耳をそっと持ち上げてペロリと舐めた。
「ん……でも、マコは何でならなかったの?」
 発情しているメス猫の近くをマコも通ったのだから、理由はひとつしかなかった。
「まだ幼いからじゃない。……あぁ、でも一緒になったらどうしよう。すごく面白そう」
 舌舐めずりをしたミナトに卑猥なものを感じた。
「ならないよ。メス猫に近付かなければ良いだけだもん」
 と、そっぽを向くが、すぐに向き直させられてしまう。
「そんな事、分からないでしょ? 俺だって、避けていたんだ」
 確かに要心していたミナトでさえ、防げなかったのだ、余程、香が強力だったのだろう。
「まぁ、俺はマコ見たらすぐにエッチしたくなるけどね」
「マコを見ただけで…?」
「そうだよ」
 今まで解してきた指をミナトの勃ち上がった陰茎に変えて、再び窄まりにくっつける。
「見ると色んなことしたくなる」
「にゃっ」
 体を少し持ち上げると揺らして挿入を始める。
「マコっゃ、いない方が良い?」
「遅いんじゃない?」
 ズッと深く落とされた。
「にゃあぁぁん」
 太い陰茎に久し振りに開かれ、軋みと共にマコは身悶える。
「それとも…そんな事言って逃げようと思ってる?」
「……一度もっぁん」
 喋る前に突かれて言葉を飲み込んでしまった。
「一度も、何っ?」
「いっあ、あ、やぁ」
 内壁を突く度に体を反らせて喘ぐマコを楽しむ。
「……なぁに?」
「はぁ…はぁ、逃げないよ…考えたことっない」
「ふぅん、さっき逃げようとしてたよね?」
「あれは…! お兄ちゃんがっ急に」
 ぐるりと世界が回ったかと思えば、真剣なミナトの顔と対面する。ソファーを背に、マコは眉間に皺を寄せて、薄く睨んだ。
「ふふ、意地悪だったね。俺もマコと離れるなんて、全然考えられない」
 マコの顔が一気に真っ赤になった。
「そろそろ、限界」
「にゃ、おにいちゃん……ん」
 くしゃっと柔らかい髪を両手で掴んでキスを何度か落とす。
「にー」
 離れると、マコは物足りない風にして自分から吸い付こうとした。
「急にどうしたの、甘えて。移っちゃった?」
 苦笑しながらも、積極的になったマコに応えようと舌を差し込む。
「んっんっ」
 ただのキスではなかった事に始めは驚くが、自身も舌を出してミナトを求めた。
「ん……良いね。んん、ん」
 あんなに嫌がっていたキスも、今は夢中になっている事に内心ほくそ笑んだ。
「ふっん……あぁん!」
「ふふ、マコは忙しないね」
 ミナトの下からの突きに大きく仰け反る。忘れていたのも悪いが、意地悪だと思った。
「あぁ! にあ、あ、ああっあっ」
 腰を浮かせて何度も打ち付けてくる。その度に、マコは嬌声を上げながらミナトの首に抱き付いた。
「っはぁ……力、抜かないと、痛いよ?」
「にぃっ」
 喘ぐだけで精一杯だと首を横に振るのを見て、ゆっくり突き上げた。
「にゃ……はぁ、はぁ。あん……んっ」
 余裕が出てきたのか、中断された続きとでも言うようにマコからキスを仕掛ける。
「んん……ん、可愛い」
 狭かった入り口も少しずつ拡がり、完全にミナトを受け入れる体に戻ったようだ。キスをしながらマコの中心を擦れば、大きくビクついた。
「マコのチンチン凄いね」
 今にも吐き出しそうな陰茎をクスっと笑い、わざとマコの好きな場所を外して中を突く。
「にぃ。お兄ちゃん」
 潤んだ瞳で我慢が出来ない事をすぐに訴える。
「これじゃ、マコの方が発情期みたい。でも……良いよ。俺も我慢出来ない」
 マコのお尻を持ち上げ、前立腺に当たるように何度も打ち付けられ、嬌声を上げずにはいられなかった。
「にゃあぁ……!!」
 濃い精液を吐き出し、マコはぐてっとソファーへ体を沈める。
「俺より先にいっちゃったね」
「ごめ、んなさい……」
「謝らないで? 俺ので感じてくれて嬉しいよ」
 かあっと顔が熱くなる。
「お兄ちゃんのも出る?」
「うん、マコの中に出しても良い? ちゃんと後で綺麗にするから」
「う……ん」
 後もいやらしい事をする、という含みのある笑顔で聞かれて、恥ずかしさにそっぽを向きながらも頷いた。

 タオルと桶を持って来る為、お風呂場へ行こうとすれば、尻尾を掴まれる。
「……本当にどうしたの?」
 顔を近付けて、頭を撫でてやりながら優しく問う。
「お兄ちゃんがマコの事、嫌いになってなくて良かった」
「何度も言ってるでしょ。嫌いだったら、何年も探したりしないよ」
「お兄ちゃん……大好き」
 安堵したら急激に眠気が来たらしい。寝言のように呟き、マコは深い眠りについた。
「ふふ、血の繋がった弟にセックスはしないよ……マコは本当可愛いな」
 優しく体を拭きながら、キスを一つ落とした。

2009.09.22 完成
2013.05.11 加筆

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あきゅろす。
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