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■本編09*

 マコは小さな袋を手に帰って来た。口の端には茶色い汚れが。
「……それ、どうした」
 マコは、これ? と袋を指す。
「貰ったの」
 にこにこ笑顔で答える。
「誰に」
「えっと、しょうにんって名前の猫から」
 街には物を売りに商人がやって来るのを見た事がある。
「一人で街に行ったの?」
 首を横に振る。
「たまたま森の中で会ったの。売れ残ったからマコにくれるって。ちょこって言うお菓子だって、美味しいよ」
 袋から、ミナトにも食べて貰いたくて、いくつか残しておいたチョコレートを一粒差し出すが、ミナトの反応が薄いのを見て、明るかったマコの表情は落ちてゆく。
「お兄ちゃん怒ってる?」
「うん」
 率直に言われて、なお落ち込む。
「……ごめんなさい。ちょこ嫌いだった?」
「違うよ」
「マコが先に食べちゃったから?」
「違う」
「ご飯の前に食べちゃった事?」
「……違う」
「うーん」
 頭を悩ますが、いくら考えても答えが出ないマコだった。
「知らない猫から物を貰ったらダメでしょ。貰うのも、知らない猫に付いて行くのと同じような事だよ?」
「に、ごめんなさい」
「もう、しかも簡単に食べて」
 口の周りに付いているチョコレートを舐め取る。
「媚薬やまたたびが盛り込まれてたらどうするつもり」
「なぁに、それ」
「マコがいやらしい気分になっちゃうお薬」
「にゃ!?」
 想像をしてマコは頬を赤らめた。
「教訓を生かせないマコにはいやらしいお仕置きだから、耐えてね」
 マコの耳がピクリと動いた。また、前みたいに胸をどうにかされるのだろうか。

 大人しくなったマコのお腹を抱えながら長椅子に一緒に腰掛け、チョコレートを袋から一粒取り出しかじる。体温で溶け出したそれを二本の指に絡め、マコの口へ運ぶ。
 始めは躊躇していたが、舌の上にチョコレートの味が広がった途端、甘い誘惑に耐えられず、ペロっと綺麗に舐めとる。
「美味しい?」
「うん」
 正直に答えるマコに、にこっと笑う。そして、残りの欠けたチョコレートを視界に入るよう見せる。
「今度は飲み込んじゃだめだよ?」
 注意をした後、顎を少し上に向かせ捻じ込む。すぐに口内で溶け出し、胃の中へ流したかったが我慢をする。
 そして、マコを長椅子に寝かせてから、口の中へ二本の指を突っ込み、再度チョコレートを指に絡めて服を鎖骨まで捲り上げ、腹部に塗りたくった。
「う〜にゅるにゅるする」
 気持ち悪そうにするが、ミナトは無視をした。
 乳首にももちろんべっとりとデコレーションをする。
「にっ」
 少し冷たくて肩をびくつかせた。
「マコのおっぱいに艶が出てますます美味しそうだね」
 そう言うと、そこへキスをする。
「やぁ」
「ん、甘い」
 今度は吸ったり、舌先で遊ぶ。
「にゃぁ」
 始めはくすぐったくて、笑いをこらえていたが、執拗な愛撫にマコは自身の指をくわえ、腰をよじり小さく鳴く。
「おにぃちゃん」
「……気持ち良いの?」
 頭を縦に振る。
「分かってる?」
「に?」
 口調が変わって、無意識に喘いでいたマコは我に返った。
「俺以外にこんな事、もしかしたらされてたかもしれないんだよ?」
 指で乳首をぐりぐり押し潰すようにし、口では乱暴にキスをし、片手で陰茎を強く揉んだ。
「んあっわっ、分かったからぁ! っお兄ちゃ……ん以外にはならない!!」
「本当?」
「うんっ」
「絶対?」
 首が落ちるくらいに二度、深く頷いた。
「良い? どんな猫からも物を貰っても受け取らない事」
「……はぁい」

2012.02.18 完成

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あきゅろす。
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