比翼連理の契り 決断の時 1 「アーゼスには天上族や魔族と人間のハーフは珍しくないが、彼らはほとんど魔力を持っていない事は知っているな? ルアンヌのように高位魔族にも等しい魔力を持ったハーフは、ほとんどいないに等しい。 人間の身体では魔力を制御する事は、できないからな。だが、いなかった訳ではない。 我はルアンヌが生まれた時、その事を知る聖者のところへ行って、話を聞いたのだ。 我らが知るハーフは皆、人間の遺伝子を強く受け継ぎ瞳の色も人間である方の親の瞳の色と同じであった。 だから、ルアンヌもクレイアと同じ琥珀色だと思っていたのだが、深紅色をしていた……」 ルシエルはそこまで話すと喉を潤した。そして話を続ける。 「深紅色……それは我の魔力を受け継いだ証。ハーフでなければ何も問題はなかったのだが、ルアンヌはハーフ。 受け継いで生まれてきたという事実も変わらない。 そのままでは、確実にルアンヌの身体に負担がかかることは分かっていたから、急いで聖者のところへ行った。 そして、その時、聖者はルアンヌは人間よりも魔族に近い身体だから、魔力を受け継いできたと言われたのだ。 だから、今は身体に負担がかかりすぎないように、使える魔力を制限すればよいと……。 ただ、完璧に使えなくしてしまったら、本来使われるべき魔力のいき場は、失われ、ルアンヌは破滅してしまうだろうと言われた。 そして、我は言われたとおりにルアンヌの魔力の一部を封印したのだ」 そこまで言うとルシエルは黙った。 ルアンヌが何か言うのを待っている様だ。 その事を感じたルアンヌはそれまで思っていたことを言った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |