比翼連理の契り 真実 2 「まず、我が魔界で何をしていたか話すことにしようか。リーフェルのこともあるしな……」 ルシエルは何から話そうか迷ったが、ありのままに話すことにした。 「ルアンヌ、実は、我は、魔界で皇帝をしていたのだ……。だから、ごく偶にしかそなた達と共にいることができなかったのだ。 せめて、クレイアが魔界で暮らせたならよかったのだろうが、無理な話だし、今はもう関係ないことだがな……」 そんなことを初めて聞くルアンヌは驚いたが、次の言葉にさらに驚いた。 「そして、リーフェルのことだが、だいたいわかるであろう。リーフェルは有能な魔族の若者、つまり、我の家臣であったのだ。 だが、ただの家臣ではなくて、我は、後継者にするつもりでいろいろと、リーフェルに教えた。 我が皇帝の地位を退いた今、リーフェルは魔界の皇帝だ」 そこまで言うとルシエルはいったん言葉を切った。 まるでルアンヌの反応をまっているかの様に……。 一方、ルアンヌは驚きのあまり言葉も出てこなかった。 ただただ目を大きく見開くばかりである。 そんなルアンヌにルシエルはさらに言った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |