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比翼連理の契り
新たなる事実 4

「驚いたわ、あなたが父親だったなんて……。それで、あなたがここにいること、ヴァルアは知ってるの?」

 ふと、もう一人の皇帝を思い出し、アナシスはルシエルに問う。

「知ってるぞ、アーゼス界にいることはな。手紙で知らせた……」
「じゃあ、クレイアのそばにいることは知らないのね。私がヴァルアに言ってもいいのかしら? 今日会ったらたぶん聞かれるでしょうから」
「別にかまわないぞ」
「わかったわ」

 そして、アナシスはクレイアを探していた目的を思い出し、話を切り替えた。

「それでは本題に入るわね。私の皇帝としての任期はあと一年ぐらいで終わるわよね?」
「そうね。任期ということは後継者のことかしら?」

 任期という言葉にクレイアは直感的に話の主題を悟った。

「そうよ。私の後、つまり第51代皇帝として、ルアンヌを任命しようと思ってるの。二人はどう思うかしら?」
「……そのこと、ルアンヌは知ってるの?」

 クレイアが言った。

「まだ、ルアンヌに言う前にあなた達の意見が知りたかったの」
「そう」

 クレイアが言おうとした瞬間ルシエルが言った。

「皇帝になるかならないかはルアンヌが決めることだが、我はルアンヌがどちらを選ぼうともルアンヌの味方だ」
「私もルシエルと同意見よ」
「わかったわ。じゃあ時間だから魔界へ行ってくるわね。クレイア、後はよろしくね」

 そして、アナシスはクレイアやルアンヌたちに見送られ、クレイア以外の側近と共に魔界へと向かった。



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あきゅろす。
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