比翼連理の契り 約束の時 4 「ルシエル様、大丈夫でしたか?」 「心配ない」 ルシエルは簡潔に答えた。 「父さん、その方は……?」 「ああ、エルデという。長い間、我の手伝いをしてくれていた者だ」 それを聞き、ルアンヌはエルデにペコリとお辞儀をした。 「これからエルデも一緒に暮らすことになるのだが、いいか?」 「え? そうなの? 別にいいけど……」 そして、エルデの方に目を向け、ルアンヌは言った。 「はじめまして、ルアンヌといいます。これからよろしくお願いします」 「はじめまして、エルデです。こちらこそ、よろしくお願いします」 穏やかに紹介が終わったところで、ルシエルは二人を急かす。 「さて、お互い自己紹介が終わったところで行かないか? 我は早くクレイアのところへ行きたいのだが……」 「そうだね。行こうか。母さんも喜ぶよ……というか、もうわかってるのかな?」 そこでルアンヌは昨日のことを思い出す。 何か少し変だったんだよね。たぶん父さんが来る事がわかったのかな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |