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比翼連理の契り
予感 3

 ルアンヌは午後になり、アナシスの用事をし終えて執務室に戻ろうとしたところを女官に声をかけられた。

「ルアンヌ様、ちょうどいいところへ。魔界から使い魔が来たのですが、今手が離せなくて……。頼んでもよろしいですか?」

 ここアーゼス界では魔界や天上界からの連絡はアナシスが直接使い魔に会って聞くことになっているのだ。

「いいわよ。おいで」

 ルアンヌは使い魔を呼んだ。すると、使い魔はルアンヌの肩に止まった。
 使い魔を肩に乗せたまま執務室へ戻る。

「アナシス、魔界から使い魔が来てたよ」

 仕事をしていたアナシスは顔を上げた。

「何かしら? おいで」

 使い魔はアナシスに用件を伝える。その間、ルアンヌは残っていた仕事を片付ける。

「わかったわ、必ず出席すると伝えてくれる?」
「伝えます。では」

 アナシスの返事を聞き、使い魔は魔界へ帰っていった。

 仕事を終えたルアンヌがアナシスに聞いた。

「何の用だったの?」
「二日後に魔界で新皇帝即位の儀式があるらしいわ」
「そうなの? じゃあ、二日後はアナシスいなくなるのね。母さんに伝えてくるわね」

 クレイアはアナシスの側近で、アナシスのスケジュールを管理しているのも彼女である。

「よろしくね」
「行ってきます」

 執務室を出て隣の側近室へと入っていく。



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