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症候群-追放王子ト亡国王女-
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待つ方が良いか。向かう方が良いか。どちらにせよ、こんな出来立ての軍と民間人の寄せ集めでは結果は見えている。
もし神が居るとしたなら、貴方はどちらの味方になってくれるのだろう。もしかしたらどちらの味方にもならないのだろうか。人間のこんなくだらない争いに呆れて…。






































宣戦布告後、
ルネ王国が新生ライドル王国へ攻めてくる事になった当日――――

優しく清々しい朝なのに気持ち良く目覚める事ができなかった。ジャンヌが目を覚ますと、いつの間にか其処にはラヴェンナが険しい顔をして立っていた。
寝惚け眼を擦りモタモタしていたら、腕を強く引っ張られた。ラヴェンナはまだ眠っているアンネの事も同様に乱暴に起こす。2人に対してこんな乱暴な彼女は初めてた。声を掛けようとしたら、険しかった顔は一転。両目から大粒の涙が溢れ出た。ラヴェンナは声を上げて、泣いた。


































「銃の撃ち方は以前学んだ通り!忘れたなんて言わせないからな!」
ゴアの大きな声の後、武装した民間人達は力強い返事と敬礼をした。1人の軍人がゴアに近付いていき、何やら小声で話している。話の内容に対し深い溜め息を吐くゴアはすぐこの場を後にし、裏にある軍本部へと駆けて行った。

























バン!

勢い良く扉を開けると、調度目の前に立っていたのは赤服を着たヴィヴィアン。彼はどこか目が虚ろで、顔色も悪い。
そんな彼に対する怒りをぶつけるかのように、ゴアは力強く肩を叩く。
「しっかりして下さい将軍!こんなでは、」
話の途中にも関わらず、黙って脇を通り過ぎて行くヴィヴィアン。ゴアとの距離をとると立ち止まる。空へ向け、右腕を伸ばす。
「上空からはどんな攻撃を仕掛けてくるだろうか。陸からはどんな攻撃を仕掛けてくるだろうか」
「まだそんな事を。貴方がお得意な頭脳戦でいけば良いのではないですか」
「…人間の数が違い過ぎる。力も違い過ぎる」
「しかし戦は何が起きるか分かりません!弱音など吐かず、」
「この戦が終わった後の自分が想像できないんだ」




































ルネ王国―――

一方ルネ王国では、メディア等情報が伝えられるもの全てが今回の戦争の話題で持ちきり。映像が映し出せる物全てに、赤地に黒十字のルネ王国国旗を背に演説するルヴィシアンの姿が映っている。
キラキラ光る宝石がついた派手な服を着て、既に勝利を確信した笑みを浮かべて。
「我が国は本日8月25日。新生ライドル王国との戦争を始める。突然の事に国民の皆は驚きの事と思う。今回の戦争、何としてでも我が国は勝利を納めなければいけない。いや、勝利だけが目的ではない。ある罪人を此処へ連れて来なければならない」
この一言で、彼が誰の事を指しているのかがすぐに理解できた。
「ヴィヴィアン・デオール・ルネ。先代ダビド国王陛下を殺害した、何とも卑劣な犯罪者を此処へ連れ戻し、皆の前で処刑する」


ワアァ…!

一斉に沸き上がった国民の歓声が城内まで届いてきそうだ。
「ルネ!ルネ!ルネ!」
母国の名を讃える声が軍人達を見送るのだった。
ダイラー将軍、そして負傷中のマリソン大将までもが出動したこの戦争。先代国王がどれだけ愛されていたかが理解できる。
出兵した軍人達の顔は、悪魔の様に恐ろしかった。優しい天使の様な顔付きではいけない。生きるか死ぬかしか選択肢の無い地で。

































演説も終わり、軍隊出動後で静まったルネ城内。
「うっ…、ひっく…」
小さな泣き声がする一室の扉を申し訳なさそうに開くのは、正装した黒髪の男性『フランソワ・レイニ・アシュリアント』
彼も軍人であり、まだ23歳という若さにして優秀な成績を納めている将来が期待される中尉だ。そしてヴィヴィアンの側近でもあった。


パタン…、

音をたてぬ様に、静かに部屋の扉を閉める。
ベッドに腰を掛け、顔を手の平で覆って大泣きしているマリーの元へ歩み寄る。一歩一歩静かに、ゆっくり。
「マリー様。御食事の用意が整ったと先程侍女から御聞きになられませんでしたか?」
侍女が何度呼んでも動かないマリーを、侍女達は彼女と仲の良いフランソワに催促する様頼んだ。けれど意味が無い。フランソワが話し掛けたところで、マリーからの返事は無いのだから。代わりに大きな泣き声が返ってくる。
戸惑ってしまい、何と声を掛けたら良いのか分からなくなり口籠もってしまうフランソワ。こちらに背を向けたままの、まだ若い妾の姿は大国の妾らしい派手さも自信も無く、寂しい。





















テーブルの上に乗っている美しい花瓶に負けずに飾られている美しい真っ赤な薔薇の花束。


スッ…、

1本抜き取ると、マリーの前に静かに差し出して優しく微笑む。マリーは顔を覆うのをやめ、大粒の涙が浮かぶ大きな目でこちらをしっかり見てくれた。その顔に、フランソワの胸が痛んだ。
「フランソワさん…」
「そんなに大きな御声で泣かれていては、国王様の御怒りをかってしまいますよ。今はおやすみになられるのが一番です」
彼女の涙の理由が分かっているからこその一言。ヴィヴィアンの忠実な側近であったフランソワだから、マリーも彼の存在はよく知っていた。
最近は、よくマリーの話相手になってくれていたフランソワ。2人の会話も弾むようになると、寂しさを紛らわす為なのかマリーはフランソワにだけは心を開き始め、頻繁に彼との会話を楽しむ様になっていた。
マリーのヴィヴィアンへの想いもしっかり聞いてくれて、且つ誰にもその事を告げ口せずにいてくれる。けれどいくらフランソワ相手でも、ヴィヴィアンは無実で、先代国王を殺害した真犯人がルヴィシアンだという事だけは絶対に言わなかったし、言えなかった。
涙を拭い、薔薇を受け取ると悲しみを精一杯堪えて笑みを見せる。
「そうですね…。現実の世界から少しでも離れる為おやすみする事にしますわ…」
「そう。それが今の貴女の為なのですよマリー様」
薔薇を返すと毛布を掛け、枕に頭を乗せる。瞳に映るフランソワの優しい笑みを見て思い出すのは、大切なたった1人のいつも向けてくれていた優しい笑顔。
「フランソワさん」
「はい、何でしょう?」
「フランソワさんは出兵なさらないのですか」
「ええ、待機部隊です。まだ階級が下ですから。出兵した方が宜しかったでしょうか?」
「いいえ、そんな事はありませんわ。フランソワさんは優しい御方ですもの。出兵されてもしもの事を考えますと…とても寂しいですから、残って頂けて嬉しいですわ」
笑い混じりで楽しく心が自然と暖まる会話。おやすみなさい…小さな声で言って扉を音をたてぬよう閉め、立ち去った。

























とある一室―――――

フランソワが1人で辿り着いた場所は、傭兵部隊が召集された一室。傭兵とは金銭で軍隊に雇われている人間の事だ。
マリーと話をしていた先程の優しい顔は何処へいってしまったのだろうか、険しい顔付きになる。
「すぐ出兵準備に取り掛かれ。1秒たりとも無駄にはするな」
「はっ!」
張り上げたフランソワの声の後すぐに傭兵達は敬礼をしてから走って部屋を出て行き、各自準備に取り掛かる。
フランソワが書類を脇に挟み部屋から出て行こうすると。見るからに態度が悪い問題児『ジャック・ヴォル・グラッド』19歳が腕を組んで出入口の壁に寄り掛かっている。
彼を見てフランソワの顔付きが更に険しくなる。前を通り過ぎようとした時、足を止める。ジャックの方は見ず、真正面にあるガラス張りの大きい窓越しに見える青い夏空を見つめて。
「ジャック、早く行け。お前はいつもいつも…」
「今回のコレ、いくらなん?」
指を丸くして金の形を表して不気味に笑む。その笑みと、時折覗く歯が牙のようにガタガタでまるで狼。




















「はぁ…」
フランソワは溜め息を吐くと、脇に挟めていた書類の中から1枚の薄っぺらな紙を取り出し、彼の前に差し出す。
始めギラギラ輝いていた彼の目は、そこに記された金額を見るとやる気が無さそうに輝きを無くし、終いには胡坐を組んで座り込んでしまった。
「は〜あぁ!」
金額が低い事を指摘するよう、わざとらしく溜め息を吐く彼を、黙って険しい目で見つめるフランソワ。差し出した書類をファイルに片付けると、また脇に挟めた。もう一度彼を見て、背を向けて出口の方に体を向ける。
「いいか、早く来る、」


カチャ…、

背後から拳銃を構えた音。ジャックは何と、楽しそうに笑みながら上司フランソワに銃口を向けたのだ。こんな普通では有り得ない光景も、この2人にとったら日常茶飯事。しかしフランソワは動揺せず、まだ空を見ている。
「あれま。動揺しなくなったか中尉?」
「上司の座を狙おうとする程向上心ある奴を私は好む。だがな、こんな緊迫した時でもふざけている奴を私は一番に嫌う。支度が出来次第早く集まれ。すぐ出るからな」
「はっ…」
ジャックは鼻で笑い、拳銃を下ろす。胡坐を組んだままフランソワの背を見て、聞こえる様に何度も彼の事を鼻で笑う。
「はんっ!何処ぞの落ちぶれた貴族の坊っちゃんか知らねーけどよ、あんたには喫茶店の店員さんがお似合いだぜ?いらっしゃいませご注文は如何なさいますか〜ってな。あんたさ、甘過ぎ。死ぬよ?」
「承知の上だ」
低く聞き取り辛い声で返事をすると、靴の踵を鳴らして1人歩いて行ったフランソワ。


コツ、コツ…、

反論もされず面白くなかったジャックはケッ!と乱暴に言い捨てると、寄り掛かっている壁を拳で力強く叩き付けた。


ドンッ!

その叩き付けた音が、遠くなっていく靴の踵の音を掻き消す。
「分かってんなら、さっさと辞任しろ!」




















































インド砂漠―――

「こちらB隊マリソン・ディナ・ルビィ。応答願うわ」
「えー、こちらC隊ヴィルードン・スカー・ドル。敵兵は居ない模様」
「そう。じゃあ静かにお国で待機中かしらね」
通信を切ると、操縦をしている部下に速度を上げるよう指示するマリソン。アクセルを踏み込むと戦闘機は大きなエンジン音をたて、砂埃をたてて猛スピードで走って行った。
























一方、ダイラー率いるA隊はインド上空からの部隊。
空軍経験の方が多いダイラーにとって空は庭の様なもの。ましてや、彼が将軍に就任してからルネは負け無しだ。
最強の戦士を上空から迎えるライドルは、どんな戦法で仕掛けてくるのか。相手の対応が楽しみで仕方のない彼は興奮状態。


ドクン、ドクン、

鼓動は大きさと速さを増す一方。
いつも無口でクールな彼の目は大きく見開き、ある一点をジッ…と見つめては更に笑む。瞳に映るのはアラビア調の城と一直線に広がる町。新生ライドル王国だ。
速度を上げ、無線を手に取るとA隊全員に通信する。
「砲撃用意」











































一方。
新生ライドル軍――――

「ヴィヴィアン将軍。城下町部隊は全て出動致しました」
「次は上空を、」


ドン!ドン!

言葉を遮ったのは、大きな大きな爆発音。軍本部だけが揺れたのでは無く、地面全体が大きく揺れている。まるで大地震の様。
慌てた2人が外へ駆け出てみれば、遠くの町が真っ赤な炎を上げて空は対空砲火の閃光に染まっている。誰もがこの光景を見ただけで全身に鳥肌が立ち、恐怖で失神してしまいそうになる程。
先程まで綺麗な夏空が広がっていたかと思えば、一瞬の出来事だ。空を見上げれば、いつの間にかルネの黒色の戦闘機が飛び交う。
「くっ…!」
ヴィヴィアンは歯をギリ、と鳴らして勢い良く右腕を横に出す。
「早く!上空も応戦しろ!」
「はっ!」
――自分がこんなにも動揺してモタモタしていたからという事くらい分かってはいるけど…。こんな小国たった一国を潰す為に、何故ルネはこんなにも多くの兵・戦闘機を出す必要がある?――
その時浮かんだのは、華やかな服を着て周りの人間から名を呼び讃えてもらっている悪魔の様な笑みを浮かべた兄の姿。


ザワッ…!

悪寒がして、背筋が凍り付く。鼓動は速さを増す。
「まさか、僕がこの国に居る事が知られた…?」
周りに居る人間全てが敵に見え出して、息が苦しくなる。


ドンッ!!

また大きな爆発音が耳に届く。誰が裏切ったなど言っていられる状況ではない事に気付くと、すぐに飛行型戦闘機に乗り込みゴーグルを着用して空の部隊と共に空へあがった。





















ヴィヴィアンが空を。ゴアが陸を。
どうやら海上からは攻めてはこない様子。こんなにも多くの軍隊で海上からも攻められたら、あっけなく終戦する事は間違い無い。
「やっとお出ましか」
ライドル軍の戦闘機が見えると、無線を足元に放り投げたダイラーは険しい顔付きでライドル軍に向かって砲撃開始。
航空空部隊は陸上部隊よりも経験者である必要性がある。空の部隊を任せられたヴィヴィアン以外の人間は、旧ライドル王国の軍人だった者達。しかし敵ルネ軍の最新技術を前にしては、旧式の戦闘機しか用いていないライドル軍の腕も一瞬にして散る。


ドンッ!ドン!

何機ものライドル軍戦闘機が火を吹き墜落していく光景を楽しんで見るルネの軍人は誰も居ない。皆、つまらなそうに溜め息を吐いて冷ややかな視線を送る。
「つまらない。モナを占領し、すぐに再建したからどんなに力があるのかと期待をしていたのだが所詮この程度か」


ドン!

背後から聞こえた爆発音。またライドル軍戦闘機が撃たれ墜落したと誰もがそう思っていた。
しかし音の方に目を向けてみれば、火を吹き爆発しているのは黒色のルネ軍戦闘機。ダイラーは急に速度を上げる。
「少しは楽しませてくれる奴がいるようだな!」


ドン!ドンッ!

また一つ、また一つと火を吹き爆発音を鳴らして墜落されていくルネの戦闘機。いつしか形勢が逆転した空の戦場では、激しい戦禍となっていた。




























自軍の戦闘機が爆発した為に出た黒い煙で前方を見失いがちだが、ダイラーが搭乗している機体だけは正確で素早く、空という戦場を駆け抜けていく。


ドン!

また目の前で爆発。
煙で見え辛かった前方は戦闘機から吹き上がる火のお陰で、一気に明るくなる。炎に包まれたルネ機は町の方へとまっ逆さまに墜落していく。
赤い炎の後ろに揺らめくのは、色がグレーのライドル軍戦闘機。それが視界に入った途端ダイラーは躊躇わず、砲撃を開始した。
「お前だな、こんなにも我が同胞を亡き者とした奴は!私にお前の実力、見せるが良い!」


ドンッ!!ドン!

炎の中を駆けるダイラー機。しかしその瞬間ライドル戦闘機は背中を見せ、逃げる様に猛スピードで去って行く。何とも哀れでふざけた敵に同情すらしてしまった。
「自ら私の前へ現れたからてっきり戦う気がある奴かと思って期待したが。恐ろしいのか、ルネがそんなに恐ろしいのか?それとも私が恐ろしく、敵前逃亡してしまったのか?」
逃げてしまう様な人間の後ろを追うのは本意では無いが、今日だけは何故か逃がすまいと対抗し、逃げた敵を猛スピードで追っていく。2機は真っ赤な空を猛スピードで駆け巡っている。まるで追い掛けっこ。























「ダイラー将軍、ダイラー将軍。次の指令を。指令を!」
足元に放り投げられたままの無線から聞こえてくるのは、同じ空の部隊の部下の必死な叫び声。
耳には届いている。けれど今は、見付けた敵を追う事が楽しくて仕方ない。返答をしない彼の瞳には、逃げていく1機のライドル機だけが映っている。


ヒュン、

いつしか、逃げるライドル機は分厚い雲の中へ逃げ込んだ。
「逃げる敵の後を追う私の身にもなってくれよ、ライドル軍!」
敵を追って雲の中へ入った瞬間。


ガクン!

ダイラーの機体は横に大きく揺れ、右に傾いた。


ドンッ!

「ぐっ!何だ!?」
傾いた右側に目を向けると、機体の右の羽が見事に半壊し、そこからは真っ赤な火が吹いていた。
これにはさすがのダイラーも驚いて動揺し、目を見開くと足元に放り投げていた無線を素早く手に取る。
「こちらA隊ダイラー!雲の中だ援護を頼む!」
――応戦を頼むなど、私はまだまだ情けない…――


ドンッ!

そうこうしている間にもまた強い揺れを感じた。前方から勢い良くこちらへ向かってくるのは、先程雲の中へ逃げたライドル機。
「っぐ!」
歯を食い縛り、迫り来る敵機への攻撃をする為レバーを大きく引き、発射した時。


ドン!ドンッ!

突然雲の中から現れたルネ機に、ダイラーが敵へ放った砲撃が命中してしまった。不運だ。
「なっ…!?」
先程応戦を要請した援軍を自分が撃ってしまった。いつもならこんな事にはならないのに。雲で視界が悪い中、ライドル機を追う事にばかり夢中になっていた事によるまさかの失態に動揺する。
それを狙っていたかの様にライドル機は猛攻を仕掛けてきた。


ドン!ドン!!

ダイラーは眉間に皺を寄せ口を強く結ぶと、向かってくるライドル機の上空を飛んでこの場を離脱して行ってしまった。


























逃げたルネ機を見送るライドル機パイロット。追う事はしない。
機体に搭乗しているパイロットは、目立つ赤色の軍服のヴィヴィアン。冷や汗をかきながらも、あのルネが撤退してしまう事態になった事を信じられなく、驚いている。
「…ふぅ」
落ち着くと、理解する。
雲の中という視界が悪い中ルネ機に自分をわざと追わせ翻弄させ、ルネ軍同士がお見合いになり自滅するという戦略が成功したのだ。
そして、自分が勝ったのだからルネが逃げて行ったという事をヴィヴィアンの脳が理解する。顔には笑みが浮かび、優越感に浸る。自分の両手の平を見つめ、鼻で笑う。
「今のはダイラーか?いや、援軍を要請するなんてあいつがやるはず無いか…。しかし…」
空を見つめた。真っ赤な空を。遠くで戦っているライドル軍とルネ軍の戦闘機を見付けると、援護につく為速度を上げて向かって行く。
「ふっ…あは…あははは!」
途中、喜びを堪えきれなくなった。
「負け戦が勝ち戦になる事もあるかもしれないね。"奇跡"というくだらないものをたまには信じてみようか!」
上陸するまで機内からは彼の高笑いが永遠と聞こえていた。























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