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グプッ──と重い水音がしはじめる。あまりの気持ちよさに目を閉じながら仰け反り、時折目を開くと苦しそうな夏希ちゃんの表情が見えていた。
「はあっ…晶さんっ俺ヤバイッ──…二回目なのにこれじゃもたなっ…」
顔を歪めながら腰を動かし続ける。
あたしの大好きな夏希ちゃんの切ない表情──
それにあたしも興奮していた。
何だか違うスイッチが入りそう──
「ああっ…きもちい…夏希ちゃっ…」
あたしは夏希ちゃんに抱き締めて欲しくて腕を伸ばした。
「晶さっ…」
求められて苦しそうな表情を浮かべる。
しっかり抱き締めてくれる夏希ちゃんの肩にしがみつくように腕を絡めるとあたしは汗をじんわりとかいた夏希ちゃんの首筋に顔を埋めた。
熱い吐息を漏らしながらうわ言のように囁く。
「すきっ…」
「…っ…──」
「夏希…ちゃっ……すきっ」
「………っ──」
「大好っ…──」
「──…っ…ああもうっダメだってっ…──」
それ以上口にしないでと言わんばかりに夏希ちゃんはあたしの唇を塞ぎ舌を滑らせた。
「今、それ聞かされたら俺イクからっ…」
「あうっ…」
重ねた唇を離して訴える。
・
そう言って抱きついていたあたしの腕を剥がして捕まえながら夏希ちゃんは腰を律動させる。
突く度に締まりを強めてくる場所を探し当てると夏希ちゃんはそこだけを攻め始めた──
「ああっそこやばっ…っ…」
「気持ちいい?」
「いいっ…」
「──…っ…はあ…すごいな晶さんっ…今日なんかぜんぜん違うっ…なんで?…っ…」
息を乱しながら聞いてくる。
なんでだろう──
なんで…
たぶん…
夏希ちゃんをほんとに好きになってきてるから……
夏希ちゃんの真っ直ぐな愛情が伝わってきてるから…
心を許し始めてるから…
子宮がこの人ならいいと
認めたから……
感度が全開になって夏希ちゃんを受け入れ始めてる。
あたしと別れることを拒む夏希ちゃんに安心してる。
強引に押し倒して優しく犯す夏希ちゃんに心が安らいで身を任せる。
わざと意地を張って
反抗して
酷い言葉を投げつけても
夏希ちゃんは一生懸命あたしを手離さないように束縛してくれる……
・
初めての恋を失って
途方にくれ
恋をすることを忘れたあたしに
神様は熱烈に恋する人を連れてきてくれた。
躰を繋げたまま愛を囁く…
子供じみた恋愛とセックスしか経験のなかったあたしにはその行為はとても新鮮で…
それこそあたしを夢見心地にさせる。
黙っていても愛を告げてくる見つめる瞳。
夏希ちゃんの溢れる想いに躰が素直に反応する──
「晶さん…っ…そんな目でみたら俺、すぐイクってっ…」
夏希ちゃんは苦し気にあたしから顔を背けて熱で揺れる瞳をきつく閉じた……
「じゃあ見えないように抱き締めて…」
あたしは快感に揺れる瞳で夏希ちゃんに腕を伸ばす。
「──…っ…もうっほんとにっ…」
夏希ちゃんは困った顔を浮かべるとあたしを掻き抱くように抱き締めた。
今度は夏希ちゃんがあたしの首筋に顔を埋めて熱い言葉を漏らす。
「…っ…はあ…今日の晶さんなんかおかしいよっ…俺狂いそうなんだけどっ…」
「ああっ……」
強く抱き締めあって重なった躰。内部を擦り上げながら腰を揺らす夏希ちゃんが色っぽい吐息を吐く…
まだまだ足りない……
もっと狂って
あたしに夢中になって欲しい──
首筋に埋めた顔を上げて夏希ちゃんはあたしを見つめる。
「またそんな目で見て──…」
そう言って濡れた瞳で見つめると、夏希ちゃんはゆっくり唇を重ねた──
・
軽く食むようなキスを繰り返す。
漏れる熱い息
そっと絡む舌先
それを離すと夏希ちゃんは言った。
「もう射ってもいい?」
先に果てるからと許しを乞う──
その眼差しにさえも溢れる愛を感じる。
あたしはゆっくりと笑みを返した。
「ダメっていっても射くからいいよ……」
「………」
「射っていいよ。慣れてるから」
「…っ…それすげえ悔しいっ」
夏希ちゃんはその悔しさをバネに腰を激しく揺らし始めた。
ムキになった夏希ちゃんも可愛くて愛しい…
「はあっ…晶さんっ…」
果てが近付いてきたのが躰を揺らしながら名前を喚ぶ夏希ちゃんの表情が快楽に翻弄され始めていく──
夏希ちゃんは時折、顔をしかめて歯を食い縛る。
まだ果てたくないと、欲望と葛藤しながら律動を繰り返す夏希ちゃんはすごくセクシーだと思う。
「はあっ…ああもうっ晶さんの膣(なか)──気持ち良過ぎるっ…」
「あっ…」
夏希ちゃんの堪える表情に興奮する。
少しずつ強まる夏希ちゃんの喘ぎ声。
獣のような呼吸
低い呻き
全部に興奮しちゃう
「ああっヤバっ…まじ射く…っ…はあっ…ごめん晶さっ…もっ…っ…──ッ!!!」
昂まった自身を抜き夏希ちゃんは息を上げながらあたしのお腹へと欲を飛ばす。
恥ずかしそうに目の前で射き続ける夏希ちゃんのそれにあたしは手を重ねた。
ゆっくりとシゴキながら残りを絞る。
夏希ちゃんはその動きに身を委ね腰を微かに前後させる。
「今日の晶さんめちゃめちゃイヤらしい…」
夏希ちゃんは赤い顔でポツリとそう呟いた…
・
熱い躰の情交──
一頻り絡み合ったあとにはたっぷりと心の情交が待っている……
枕に頭を乗せて見つめ合うと夏希ちゃんは決まって髪を撫でて耳たぶを触った。
「晶さんはピアスしないんだ?」
「うん」
そんな他愛もない会話を二人で交わす。
「したほうがいい?ショートだからよく進められるんだけど…」
短い髪から覗く飾り気のない耳たぶに唇を寄せると夏希ちゃんは軽くキスの音を立てた。
「しなくていいよ…キスするのに邪魔になる…飾らなくても晶さんは綺麗だから…」
「……」
夏希ちゃんはそういって微笑んでくれた。
夏希ちゃんのそんな優しい笑みをあたしは独り占めにしてる。
「歳相応に飾らなくてもいい?」
「……?」
いつもジーンズに重ね着のシャツ…
22歳の女なら、それなりに少しは飾るのもマナーかもしれない──
でも、喫茶店のアルバイトだし
夏希ちゃんは芸能人だから外でデートするわけじゃないし……
夏希ちゃんは考え込むあたしの短い髪を撫で続ける。
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