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6P

乾いた唇を濡らしながら夏希ちゃんのそれに手を添わせてキスをする。


先端から溢れた透明の雫──


そこに舌を充てるとその雫は水飴のように糸を引いていた。

ピチャっ──と音を立ててゆっくりとまた口の奥にそれを含んでいく。

「うあっ…っ…やべっ…」

夏希ちゃんが顔をしかめて吐息を漏らす。


「はあっ…晶さっ…」

「きもちいい?」

「いっ…」

顔を歪めて熱い息を吐く…

ホントに色っぽくて綺麗──

「ああっ…やばいっ…射くっ…口離してっ」


「んん…」

「晶さんっ射るから口離しっ…──っ!!!」


夏希ちゃんの声を無視してあたしは思いきり吸い上げた。

踞るようにあたしの頭を抱き込み、夏希ちゃんは全身を強く震わせる。

その瞬間、あたしの口の中に夏希ちゃんの欲が一気に流れ込んできた…

離してなんていいながら、夏希ちゃんの手はあたしの頭を抑え込む──


根深く奥まで含んだそれははち切れた瞬間にあたしの喉の奥へと走っていった。



苦しさに喉が慌ててゴクリと何度も波を打つ。


「はあ…っ…ごめっ…飲んじゃったっ?……」

「……流れてっ…た」

「……まずい…?」

「……──」

夏希ちゃんは恐る恐る聞いてくる。

「晶さん…?」

「──…ゲロまずいっ!」

毒だ、どくっ!

飲み物なんて誰が決めたっ…!?

「夏希ちゃんに毒盛られたたっ…──」


「…ひどっ!?もう少し言い方ないっ!?」


「ういぃ喉がイガイガするぅっ…」

「……──っ…」


喉越し悪すぎるっ…


もがきながら喉を掻きむしる。夏希ちゃんはそんな大騒ぎするあたしの口を突然塞いだ。

「んっ……」

濡れた舌が大きく這い回る──

あたしの口に唾液を流し込むと薄くなった自分の欲を夏希ちゃんは二人で一緒に分け合いながら貪った…


絡めた唇をゆっくり離すと夏希ちゃんは息を切らしてあたしを見つめる…


「まじにゲロマズイ…──」


「………」


見つめ合うと思わず二人で笑い合う。

マズイを呟きながら二人で何度も唇を重ねて笑い、思いきり腕を絡めて抱き合った。



まったりとしたピロートーク。キスをしてふざけ合っていると夏希ちゃんは急に腰を浮かせた。

「きた…」

「変なのがお腹に…」

「だから変なのじゃないって」

夏希ちゃんは言いながら躰を起こした。

上に居たあたしを夏希ちゃんはゆっくりと下に押し倒す。あたしは上半身で起き上がった数日ぶりの夏希ちゃんの躰を眺めた。

なんだか急に男らしく引き締まった感じがするのは役作りの為に躰を造っているからなのだろうか──

「光源氏ってムキムキだっけ?」

古文に疎いあたしは今度のドラマの説明をする夏希ちゃんにそう聞き返したことがあった──

撮影が始まるまでの短期間で背中の筋肉を造りたいらしい。

なんでも背中からのカメラアングルが多い役なのだとか…

光源氏の話しなら有名だから少しは知ってる。

たしか……

平安の女たらし…?


なんて言われてたような…


物語りは美的に語られてはいるけど早い話が近親やロリコンや浮気や…

取り合えず女たらしの代名詞と言われるカテゴリーは片っ端から手を付けて回る遊び人──

だったはず…


背中からのアングルが多くて背筋を造りたい──とな?

てことは、そう言うシーンがあるわけだ…。

舞いを踊るからとかで日舞とクラッシックバレエのレッスン漬けだっていってたな……

「日舞はわかるけどなんでバレエ?」

「日舞は仕草造りだって。バレエは一番綺麗な筋肉がつくんだよ。光はムキムキじゃなくて優男だから自然な筋肉をつけて艶気だせって社長がうるさいから…」

「なる」

「躰できたら写真集だすって…」

「うわ、はずっ」

「俺も恥ずい…」

「……頑張って」

あちゃらの業界はよくわからん。


わからんけど……

今の夏希ちゃんを見て思う──

すごく色気が出てきてるから……



細いラインは崩さずに筋肉が付いてきてて逞しいと言うよりは美しい…


これであの平安の衣を着るわけだ…

あの聖徳太子みたいな帽子被って扇子口にあてて“ホホ”って笑うのかいな?…

「ぷ…」

「人の躰眺めて笑うってどういうこと?」

「ごめん、ちょっと異次元に意識が飛んじゃって…」

「……そ?」

あたしの目の前にはもう衣を肩まで半端に脱がした光の君が錯覚で映っている。

光の君はあたしの台詞に妖しい笑みを浮かべた。

「ならば晶(しょう)の宮──果てなき永楽の悦とともに、そなたを月裏の異次元まで飛ばしてごらんになりましょう…」


「……──」


「覚悟は宜しいですか?…姫…」


「……は、い…」


魅惑的な笑みを浮かべる光の君に思わず目眩が起きた……


ちょっと…



光の君を演じる夏希ちゃんて──

…カッコイイかもしれないっ…


あたし、今さら夏希ちゃんのファンになっちゃったかも。。。


もとい…

藤沢 聖夜のファンに──

そう考えるあたしの片足を抱えると、夏希ちゃんはゆっくりと猛る自身を沈めてきた……



下からえぐるように腰を突き上げて優しく犯す。

滑らかな押しとさざ波のように引いていく律動──


ゆっくりとした動きはそこはかとなくエロチシズムであたしに光の君の幻影を魅せ続ける。

「あ──……っ…すご…」

「はあっ晶さん…気持ちいい?…すごい膣(なか)が絡みついてくる…っ」


興奮したせいなのか──

いつにも増して膣(なか)が感じる。

「はあ…やば…っ…夏希ちゃ…っ…すごいっ」

たまらずに身を捩って身悶えた。

「俺、何もしてないよ…晶さんのがちょっと…っ…いつもと違う…っ」

じんわりとした疼きが甘く押し寄せては熱い蜜が溢れてる。

腰を揺らしながら夏希ちゃんは繋がったヶ所をうっとりとした顔で見詰めていた。

「はあっ…晶さんっすごい……蜜が白くなってきてる」

猛る自身に絡み付く蜜

興奮した粘液は快感に溺れる躰を助長するように濃さを増し内部で溢れていた。


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