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2P

いっそのこと──


「晶さん……」

「はは…あー、なんでしょうか…」


「今度から手錠して監禁してもいい?」

「え!?手錠も!?拉致監禁だけじゃないの!?」

「拉致監禁だけじゃ確実に逃げちゃうじゃん!?」

「逃げないよっ」

「そういう奴が一番に逃げるっ!」


「・・・言えてるね…」


ちっちゃく言い争う側で煮込みハンバーグが程よくグツグツと音を立て始めている。

俺はその火を止めると晶さんを両手で抱き抱えた。

「あ、ハンバーグできたっ?…っ…あれ夏希ちゃ!?…力あるね案外っ…」

「役作りで筋トレしてるし男なんだから当たり前!…言うこと聞かない晶さんにはハンバーグおあずけっ!…先に俺が食べるっ」

「やっ…」

ベットに放った晶さんに遠慮なく馬乗りで跨がる。

焦る晶さんの服を強引にひん剥いて自分のシャツも脱ぎ捨てると晶さんの生肌に熱い躰を押し付けた。



急に重ねた好きな人の肌の感触にため息が震える。

濃厚な肉なのに毎日食べても食べ厭きない──

甘く滴る肉汁に舌嘗め擦りを繰り返して熱い舌を這わす。

「晶…っ」

「は、いっ…」

「──頼むから…っ…ノーブラで外に出るのだけは勘弁してっ…」

「……わか…った」


全部俺の──

誰にも見せない

そんなたぎる想いで目の前の魅惑的な肢体を撫でる

荒々しい欲情と熱情──


それとは真逆に震えるため息を吐きながらスローな愛撫を繰り返す。

極上のサーロイン

熱で蕩けた肉に躰の一部を密着させる俺はゆっくりと腰を動かした──

抱えた長い脚。踵からふくらはぎにかけてのなだらかな脚線美。

俺はそこに舌を這わす。

桜色の踵に歯をあてながら敏感な足の裏を舌先でなぞると、ビクリと痙攣して小さな悲鳴が聞こえた。

セックスの時の声が大きいから──


彼女は声を必死に堪える…
口に手の甲を宛がい、瞳を熱く潤ませて顔を切なく歪めるからその表情が堪らなくて……

もっと強い快楽を与えてあげたくなる……


晶さんも意地悪だけど


俺も負けないくらい意地悪だから……


負けず嫌いだから──


俺が泣いた以上に啼かせたくなる──




蕩けたヵ所に自分の一部を密着させたまま、白い膝を閉じさせて腰を揺さぶると彼女は涙を流して身悶えた。

「あああっ…夏、希ち…ゃっ…声が出ちゃっ…」

必死になって耐えながらそれでも漏れる喘ぎ声に困惑しながら涙を流す


「はあっ…晶っ…すごいかわいいっ…」


俺の方がたまらないっ

表面だけの摩擦は大好きな人をこれでもかと淫らに狂わせる。

その仕草に釘付けになって一緒に呼吸が上がる──


あなたが耐えながら我慢できずに自分の手の甲に歯を立てるから……

白い肌が赤くなるのが気になって…

俺は枕元にあった彼女のターバンを二重にして頭から彼女の口元に嵌めた。

ターバンの厚い生地が枷になり彼女の声をくぐもらせる。


「はあっ……っやばいっ」


めちゃめちゃ色っぽいっ──

枷をして喘ぐ姿が犯されているようで──

必死に喘いで涙を流す表情に生唾が溢れて呼吸がはやるっ…


「あーもうっ…なんでこんなに夢中にさせるかな俺をっ…──」


困らせて

虜にさせて

泣かせて

狂わせる──


もうどうしていいかわからないくらいに翻弄してくれる貴女が愛しくて大好きでたまらない──


ねえ晶さん
アイシテル──

何万回でも…

喉が潰れるまで…


あなたに言う自信あるよ俺は……。



「ん!よく煮込まれてる」

「うまい?」

煮込んでから程よく冷めたハンバーグにまた火を入れて温める。一度冷ましたお陰で煮込み過ぎずに味がしっかりハンバーグに絡み食感もジューシーだ。

「途中でセクササイズして良かったかもね」

「ぶっ──…」

晶さんの屈託のない発言に思わず噴き出してしまった。

何とでも言うなあっさりと…

たっぷりと愛し合った後のせいか食が進む。もう二人でのこの生活が俺には欠かせなく成りつつある。


「明日、豚肉買うからしゃぶサラダしようか?キャベツの千切り沢山あるし」

「夕食?」

「お昼」

「──…明日休み?」

「うん」

「・・・」

仕事が休みと聞いて思いっきり顔が緩む。

「うれしい?」

「当たり前!」

晶さんと一日中一緒に居れる。嬉しくない筈がない。夕食も自然と進みが早くなり旨さも増した気がした。

食後の片付けも手早く済ませてテレビを見ながらゆっくり、いちゃいちゃしたい…

気持ちはまるで思春期だ──


執着のない恋愛ばかりを繰り返したせいか、晶さんとの恋はすごく新鮮だった。


洗い物をしながら鼻歌を歌う。

ドラマ界のトップスターと言われた俺が彼女の為に料理して洗い物までして身を捧げてる──

この状況を社長が見たら笑うかもな…


そんな事を考えていると風呂場から音が聞こえた。

「え!?なんで?もしかして一人で入る気!?」

風呂に入る準備をしてる晶さんを見つけた。

「入るよ」

「待ってよ俺も入るから」

「え〜…」

「なんで?嫌!?」

「ゆっくり入りたいもん…」

「………」


なんだよ、常に一緒に居たいのは俺だけじゃん…

冷たいと言うかクールと言うか……

やっぱり想いの温度差が違いすぎる──

バスにお湯を全開に捻ってる当たり、自慢の長い脚を伸ばして入りたいんだろうけど……

「先に入ってて、すぐ来るから」

でも構わず俺は言った。

二人でくっついて脚を伸ばせばいいじゃんっ!

俺はタオルだけを手にして風呂場に向かった。



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