Vinca major 【西浦】
5
「なんかさ。」
朝とは違ってゆっくりの自転車。
「高校って中学と全然違うよね。
悠一郎、有名なんだもん。」
アイスに夢中なのかな。
しかたなく、背中に言葉を零す。
「なんか、遠い。」
キキッー、と急ブレーキ。
「ちょ、悠一郎、ここ住宅街…」
「俺は近いだろー?今も。
お前、難しいこというよなー。
ま、頭いいしな。」
それだけ言って、また漕ぎ始める。
ううん、やっぱり遠いよ。
アイスがなにたべたいか分かっても
悠一郎の気持ちは全然分からない。
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