Vinca major 【西浦】
3
あの日から。
必要以上に悠一郎はかまってこないし、むしろ避けられている気がする。
今日はいよいよ三星との試合だ。
「三橋くん、おはよう。」
いつも以上にガクガク震えて小さくなっている。
聞いた話は断片的だけど、
そんな扱いされてたらきついよなあ、そう思った。
「菅原、サ、ン。お、おはよっ」
「…体調、大丈夫?」
「う、うん…、ありっ、がとう。…あ、田島、くん。」
顔をあげると悠一郎が立っていた。
「おい、かほ.」
「なに?」
少しぶりに顔を合した。
「変な態度とってごめんな
俺、今日も打つから。勝とうな、三橋っ!」
「う、うん!」
じゃーな、なんて言って悠一郎と三橋くんは駆けて行った。
「あ。泉くん。」
ほっと胸をなでおろしていると
泉くんが優しく笑ってくれる。
「おっす。よかったな、田島と話せて。」
「うん…いろいろありがとね」
「いーえ。俺も頑張るから。」
今から、試合だ。
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