Vinca major 【西浦】 4 「いーずみ、なにしてんの?」 「田島。いや、菅原が叫んでたからサ。」 悠一郎の大きい声はどこにいても通る。 「はー?かほ、どーした!?」 「え、えと、虫が。」 いきなり飛んできた悠一郎に驚く。 ほえー、とよくわからない声をあげて。 「俺呼べよ!助けてやんぞ。」 「いや今泉くんしかいなかったし。」 そーいうことじゃなくてさー。 そういって頬を膨らませる。 「わかった…はやく練習戻って。」 むかしから悠一郎のこういうところに困惑する。 [*前へ][次へ#] [戻る] |