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 あれから、ルッチの腕の中から動けずにいたリオを。無理矢理カリファが奪い取る形で抱き抱えた。 ふくよかな胸に抱かれて、ご機嫌な様子でゴロゴロ鳴いていると。うらやましそうに見ていたカクを無視して、カリファはアイスバーグのところへ向かった。

「ンマー、可愛い猫だな。飼い猫か?」
「毛づやもいいですし、確かにそうかもしれませんね。どこの猫か、すぐに調べます。それまでは・・・どういたしましょう?」
「わしが面倒みるぞ!」
「嫌がられてるだろうがっ」
「《クルッポー。俺たちは仕事があるんだ、この猫に構ってられんだろう》」
「かといって、このまま放っておいてドックの中に入られても困るわね」

 いえ、あの。離していただければ、ヤガラに乗ってすぐに退散いたしますから。また元の場所に戻って、家に帰りますので。 そう言いたいのに、口から出るのはにゃーの声のみ。
あの時、人間の言葉が話せたのはなぜだろう? 今話せたら話せたで、大変なことになるに決まっているが。説明出来ないのはもどかしい。 仕方ない、と。カリファの胸・・・もとい、腕の中から抜け出して。ヒヨ丸と一緒にヤガラの元へ向かった。

『にゃあ!(私、自分で帰れますのでご心配なく!これ以上関わったら、恐ろしいことになりそうですし。これで失礼しますね)』
「おい猫よ、どこへ行く?」
『にゃう(ヤガラさんに送ってもらいます)』
「あぁ、そういえばこいつ商店街にいたんだ」
「《それがなぜ一番ドックにいるんだっポー》」
「あー・・・話せば長いことになる」

 結局、パウリーはいつものように借金取りに追われてヤガラに乗り込んだところに。猫のリオが乗っていたことを話した。 すると、ルッチからは容赦ないトンカチ攻撃を食らい。カクからは鋭い蹴りをお見舞いされた。

「この猫が迷子なのはお主のせいじゃろうが!!」
「《馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、まさかここまでとは思っていなかったっポー》」
「っ、本気でやるなよ!!下手すら死ぬぞ!?」
「《死ななきゃその馬鹿さ加減も治らないっポー》」

 アイスバーグたちやリオたちをおいてけぼりにして。男3人が、とっつかみ合いの殴りあいに発展したのを。リオは生ぬるい目で見つめていた。


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あきゅろす。
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