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 男前なヤガラに乗せてもらい、どんぶらこっこと水に揺られ商店街を進んでいく。 八百屋や雑貨屋、原作にもあった水水肉の店もあった。ヤガラが食べたそうに店に寄ったので、せっかくだから買おうと店の人に声をかける。 店の人が猫であるリオを無視せず、きちんと話を聞いてくれたおかげで水水肉を2つ買うことが出来た。
 ちなみに、リオが店までジャンプしてポーチをくいっとアプローチして。財布はポーチの中にあるので、そこからお代を引いてくれと伝えたら伝わった。
 しかもリオが食べやすいようにと、小さく切って皿に盛ってくれるというサービス付き。 ヤガラも美味しそうに食べて、リオもお上品に完食し。お礼に一声鳴いて、お店を後にした。

『にゃおう(いや〜、優しい人で良かった)』
「ニー(いやいや、あそこのばあさんは細かいことにうるさいので有名なんだ。人連れならまだしも、猫が買い物なんて普段なら追い払ってるだろうよ)」
『にゃう?(そうなんですか?でもお肉をお皿に盛ってくれただけじゃなくて、小さく切ってもくれましたよ)』
「ニー(ははっ!お嬢ちゃんは、誰かしら大抵の人間や動物に好かれるんだなぁ)」
「ピヨ!(リオねーちゃんを嫌うやつなんていねーよっ!)」

 動物たちがニャウニャウ・ニーニー・ピヨピヨ鳴いて会話に花を咲かせている光景を眺めている通行人が。密かにホッコリと心を和ませていれば。途端にざわざわと騒がしくなってきた。
 どうやら橋の上で、誰かが走り回っているらしい。もしくは追いかけっこだ。 金返せっ!だの。今は無ェよ!だのが聞こえてくる。それを聞いたヤガラが苦笑しながら、巻き込まれないように橋から離れるぞと話した。

『にゃう?(どうしたんですか?)』
「ニー(いやなに、この町の名物が騒いでるだけだ。お嬢ちゃんが巻き込まれるといけないから、場所を移動するぞ)」

 すいーっと橋から遠ざかっていく。危険だと判断した上での行動なのだろうが、リオには橋の上から聞こえてくるやりとりに覚えがあった。 原作でもあった、ウォーターセブン名物のアレだ。彼の人を追いかける人数で、今がいつなのかわかるかもしれない。遠巻きでいいから確認してみようと、橋の上を見つめれば・・・。

「ちょいと失礼します!」
『!?』
「パウリー!!!てめェこの野郎っ!!」

 水に揺られながら橋を眺めていたら、突如男・・・パウリーが降ってきた。 リオたちが乗っているヤガラに乗り込み、橋の上で悪態をついている男たちに笑顔で別れを告げる。そしてヤガラの手綱を持つと、そこでようやくリオたちの存在に気がついた。

「うおっ!驚いた、なんでヤガラに猫とヒヨコが乗ってんだよ」
『にゃーう!(いきなり乗り込んだあなたには言われたくないです!)』
「ピヨ!(うわー!このにーちゃん、カッコイイなっ)」
『にゃうっ!?(ヒヨ丸ちゃんっ!どこがカッコイイの!?)』
「ピーヨ!(男らしい!)」

 男の子の基準がよくわからない。ヤガラも、確かに男らしいが中身が・・・などと言っている辺り。やはり原作通り、変人に間違いない。リオは確信を持ってそう思った。


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