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 それにしても、よく似ている。ここまでクオリティが高ければ。きっと世界中のワンピースファンから、高い支持が得られることは間違いない。 なぜあんな雪がたくさん降っていた場所で、血まみれになって倒れていたかはわからない。だけど、コスプレなんてお茶目なことをする人が悪い人な訳がない。リオは勝手にそう考えた。

『生きててよかった……』

 ロシナンテ(仮)の手に触れる。さっきまで、氷のように冷たかったのがまるで嘘のように温かい。呼吸も穏やかで、よく眠っている。死ぬかもしれなかった命が、こうして生きている。とても、嬉しいことだ。 起きたら、まず名前を聞こう。知らせたい人がいるなら、早めに知らせてあげないと。きっとこの人を心配しているだろうから。 ――――――あれから数時間が経って、外は夜になり月が上っている。それだけの時間が経っても、ケガのダメージが相当なようで。あれから一度も目覚めない。 一応、彼が起きた時の為に軽い軽食は作ったが。この分じゃ、今夜は食べられそうにない。心配ではあるが、腹が減っては戦は出来ないの例えがあるように。いろいろあったので、リオの空腹はピークに達していた。 今夜の夕ごはんは、近所の人に分けてもらった野菜をたっぷり入れたヘルシーポトフにした。 あの雪のおかげで体が冷えてしまったし。大量にストックがある春野菜を、消費してしまいたかったのも理由の1つだ。 ちょうどいい大きさに切って、味を整えて煮込んで。よくよく味が染み込んだら完成だ。 食欲が刺激されるスープの匂いに、ついついお腹が鳴ってしまう。パンも焼けて、ポトフを器によそいいざ夕食!!と意気込んだところで…………

「ここは、どこだ……?」
『!?』

 彼が目を覚ました。今までなんの反応も示さなかったのに。ようやく回復の兆候が現れてきたとか?もしかすると、ポトフの匂いで目を覚ましたのだろうか? なんにせよ、彼が目覚めたのだ。リオは慌てて側に駆け寄った。


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あきゅろす。
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