第壱話―02―
15件名。
それは、異常とも言える数だった。
ここ1ヶ月の間、立海の女子生徒に対する痴漢の件数は15件に及ぶ。
15件。
僅か、1ヶ月の間に15件。
2日に一回の割合だ。
「多い、ですね……」
「あぁ。」
2人は訝しげに眉をひそめた。
「一体どうなってやがるんだか……」
はぁ……っと重たい溜息をつく破落刃鬼。
――と、その時。
不意に鏡の携帯のバイブが鳴った。
「ちょっと、すみません……」
夢見ヶ原は破落刃鬼に一言、断りを入れるとくるりと後ろを向き、スカートのポケットから一見すると一枚のカードに見える程、深紅色の携帯を取り出すと、そのボタンを押し携帯を耳へと当てた。
「はい。もしもし?」
『鏡?』
「初音、か?どうした?」
――かけてきたのは生徒会会計の初音だった。
鏡は初音と二言、三言話すと一瞬、驚いたように目を見開くと直ぐにニヤリと妖艶に笑い、破落刃鬼へと振り返った。
「破落刃鬼先生、見つけましたよ。」
「は……?」
「痴漢の、理由ですよ……」
驚き、目を見開く破落刃鬼に鏡はより一層、妖艶に微笑んだのだった。
少女の微笑みは妖艶に
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