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第壱話―01―




電車内で痴漢行為を働いていた男を駅の交番へと突き出し、女子生徒を家へと送り届けた鏡が学校へと着いたのは丁度11時を回った所だった。


鏡は学校の敷地内に入ると、真っ直ぐ特別練へとは向かわずに普通校舎にある職員室へと足を進めた。


「――失礼します。特別科、生徒会会長の夢見ヶ原 鏡です。破落刃鬼(ハラバキ)先生いらっしゃいますか?」


「おー!こっちだ、夢見ヶ原ー!」


職員室の中央の机に座り、ぶらぶらと片手を上げる男。
普通科・総代表――教師、破落刃鬼 境鎖(ハラバキ サカサ)。


「……破落刃鬼先生、」


ネクタイを緩め、椅子に寄りかり気だるげに書類を見る破落刃鬼。何処をどうみても、普通科・総代表の教師には見えない破落刃鬼に、鏡は人知れず溜め息をついた。


「今日は特別科は午前授業だろ?夢見ヶ原が遅刻なんてめずらしーなー。」


「先生、その事で少しお話が……」


「ん?どうした?」


「実は―――」


朝方に起きた痴漢行為とその痴漢行為を行った男を駅の交番に突き出したこと、被害を受けた女子生徒の名前や、その女子生徒を家まで送り届けたことを破落刃鬼に伝えると、破落刃鬼は眉に皺を寄せたまま、またか……と深く溜め息をついた。
そんな破落刃鬼に、鏡は15件名ですね、と答えた。






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