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出逢えたこと


















冬獅郎『おはよう、成美。』


成美「おはよう冬獅郎くん♪

今日も向日葵、綺麗だよ!!」




冬獅郎『……ホントだな…』



向日葵は太陽の下で揺れていた。






冬獅郎『………。』




カレンダーの日付は





8月31日…










夏休みも今日が最後だ…





冬獅郎『……明日から学校だぁ…だりぃ…』


成美の前では言ってはいけないはずなのに…

思わず口にしてしまった言葉。


成美「私も……
学校……行きたいな


……ホントは仮退院して新学期から高校いく予定だったんだけど……


無理かな…」




学校なんてめんどくさいだけと思ったけど…




ずっと入院してた成美からすれば幸せなんだろうな…



成美「……制服着たい!!」


成美の制服姿みてみてぇな…


成美「修学旅行とか行きたい!!」


冬獅郎『そうだな。』



成美「………夏休み終わったら冬獅郎くんとはもう会えないのかな…」














ドクンッ

















それはどういう意味だ?











冬獅郎『………会える…

俺が成美に会いに行く。』







それはどういう意味だ…




成美はそういう意味で言ったのか…??









違うよな……








成美「………ホントに?」


冬獅郎『……約束する……』


成美「………ありがとう…」





夏休みの間は成美は元気で…


弱っているようには見えなかった。






冬獅郎『………。飲み物買ってくる……』



成美「いってらっしゃい!!」






そんな成美を見てると


黒崎と

美波と

俺と

成美の4人で


海に行きたくなる…














病気を忘れて…





















俺は病室をでてお茶を買いにいった…











ついでに


成美の兄貴に会いに行く…




















惣介「………まだ成美に会っているのか?」



明らかに不機嫌な成美の兄貴。


冬獅郎『……ダメですか?』



惣介「………俺、言ったよな…。


成美に中途半端に近づくのはやめろって…」


冬獅郎『………はい…覚えてます…。』


惣介「………ならなぜ成美に会うんだ…

君には一から言わなくちゃわからないのか?





君は、

成美にとって負担になってるんだ…




君の存在が……






成美を苦しめているんだ!!」




冬獅郎『………。』






わかってる…





そんなの俺自身が一番わかってる……



















成美「……ケホッ……ゴホッ……」



また発作だ……



早く…止まって…ッ


冬獅郎くんが帰ってくる前に…


心配かけないように…


成美「ゴホッ…ゴホッ…ゲホッ」


苦しい…


呼吸できない……



成美「………ゲホッ…ゲホッ」





助けて…





目の前が暗くて見えないよ……






みんなどこにいるの…??











成美「…ゲホッ……と…とう…し…ろ……く…んッ………。」




























成美……




冬獅郎『………。それでも成美の傍にいたい…』


惣介「………甘えるなッ!!!!!」



成美……





成美……






冬獅郎『………成美が……











好きなんだ……』







俺が成美に会いに行く理由…






成美が好きだから…





















成美「「"冬獅郎くん…助けて……"」」









冬獅郎『……!!?
成美………??』







今、成美の声が…






惣介「……行くぞ。日番谷くん……」




成美の兄貴も何かを察したらしい。


急いで走り出す。



惣介「………間に合え…」





…もし成美に何かあったら……









お願いだ……









約束しただろ…











どこにもいかねぇ…って












成美っ




無事でいてくれ!!


















ガラッ





慌てて成美の病室へ戻る。





冬獅郎『!!?





……成美??』












おい…成美??













なんで倒れてんだよ…











惣介「…………まだ息はしてる…





……成美…………















……まだ逝くなっ!!」



ドンッ






誰かの体が俺の肩ににぶつかる。


「君!!そこ退いて!!」



バタバタッ



「心拍数は!?」



「……ボスミン用意して!!早く!!」







看護師、医者、


数人が成美を囲み、


俺はその様子を見ていることしかできなかった…。











花瓶に飾られた向日葵は










落ちて…













踏まれて、















誰も拾うことはなかった………





















一護「冬獅郎!!!!」



美波「シロちゃん!!」



一護と美波……
来たんだな…



美波「……成美は??」


冬獅郎『…………。』




俺は


機械に囲まれ…

ベッドに寝ている成美から目をはなさず見つめていた…









一護「………。冬獅郎……」


冬獅郎『………。』






成美……














目を開けて笑ってくれねぇかな…















また怒ってくれねぇかな…














美波「………シロちゃん…」



冬獅郎『………。』













惣介「……成美はまだ生きてるよ…。


手を握ってごらん…
日番谷くん…」






冬獅郎『………。』









ホントだ…















温かいな…













冬獅郎『………。成美。』















一度しか言わねぇ…





























『   』
































ピ―――――――――――――――――

























『…………ッ。』















聞こえたか?

















ちゃんと届いたか?














成美…………
































"好きだ…"
























冬獅郎『うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


















成美……



成美……



成美……




















俺は大切なものに……












失って気づく…


















愚か者だ………
















そんな俺を…













笑ってくれねぇかな…




















「"冬獅郎くん"」








「"冬獅郎くん〜"」









「"冬獅郎くん!!"」








「"冬獅郎くん♪"」



















「"冬獅郎くん…"」
























成美は……












俺の前では辛い顔一つしなかったよな…





泣かなかったよな…










成美……













俺と出逢ってどうだった?














楽しかったか?









嬉しかったか?












寂しかったか?














辛かったか?













苦しかったか?










































幸せだったか?
















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あきゅろす。
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