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予感



帰り道


美波「……ねぇ一護、さっきからシロちゃん様子が変だよ?」



一護「…飲み物買ったときなんかあったんじゃねぇか?」

2人はヒソヒソ会話していた。

冬獅郎はどこかぼーとしている。


美波「……そっかぁ…じゃあ病院に戻って頭見てもらおっか?」



冬獅郎『……お前には言われたくねぇな…』

一護「…聞こえてたのかよ。」


黒崎ならまだしも、毎回テストで10点台の美波には言われたくねぇ…


美波「だってシロちゃんがいつものシロちゃんじゃないんだもん…」



確かに自分でもおかしいとは思う…

さっきからあの女が頭から離れない………


それに、
こんな気持ちは初めてだ…


俺らしくねぇな…








キィ―…




黒崎の自転車の錆びたブレーキの音が響く。


一護「じゃあな!!」

美波「じゃあね!!」

冬獅郎『……あぁ』


手をふる黒崎と美波と別れ1人ばあちゃんがいる家へ帰る…







ガチャ



冬獅郎『ただいま…』

「お帰り。」


家に帰ってもやはり考えるのはあの女だけ…

あの姿を頭がおぼえている。

気がつけば女が振り向く姿が何回も浮かぶ。


冬獅郎『………クソッ』



結局夜は、布団へ入ってもなかなか寝れず、勉強や読書をして朝を迎えてしまった。














美波「シロちゃん!!ケガ大丈夫?」


あわただしくサンダルの音を鳴らしながら冬獅郎の家へ駆けつけ、朝から騒がしい美波。


冬獅郎を心配して会いに来たのだ。


「あら、美波ちゃん冬獅郎ならもう家にいないわよ?」


冬獅郎のかわりに出てきたのは冬獅郎のおばあちゃん。


いつもなら寝癖ついた冬獅郎がくるはずなのに。


美波はつまらない顔をしている。


美波「そうですか………」


折角早く来たのにシロちゃんがいないなんて…

やっぱり変だ…


勝手にいなくなるなんてそんなこと、今までなかったのに…

いつも3人一緒で
いつも一緒に行動してたのに……。


美波が考え事していると遠くから足音が聞こえる。


一護「おっ…美波もいたのか、いつも早いな。冬獅郎元気か?」


美波が冬獅郎のおばあちゃんと話していたら一護もやって来たのだ。


美波「……それがいないの。」


一護「……珍しいな…あいつが1人でかけるなんて。」


一護まで首をかしげている。



ホント…シロちゃんどこに行ったのよ…















冬獅郎『…………。』


俺は気づいたら昨日の病院へ来ていた。

考えても仕方ないから行動に移したってとこだけどよ。


……ってもなぜか緊張してどうすればいいかわかんねぇ…………。



いろいろ考え

入るか入らないか、
病院への前でうろうろしていたところ…





成美「あっ!!冬獅郎くん!!」



病室の窓からブンブン手を大きくふる昨日の女がいた。


冬獅郎『………/////』


やべぇ…名前で呼んでくる………結構嬉しい…




ってか俺名乗ったっけ?




成美「そこにいたら熱射病になっちゃうよ!!おいで!!
待ってるからさ!!」



まよってた俺は仕方なく、俺は彼女がいる病室へ向かうことにした。














成美「あははっ!!」




冬獅郎『……そんなに笑うことでもねぇだろ…?』


成美「だって階段から落ちてケガって…ドジだね!!
しかも顔に傷つくっちゃってさ!!」


冬獅郎『俺だって好きで落ちた訳じゃねぇし!!』







彼女…成美が俺の名前を知っていた理由…


昨日、医者に
"夏休み早々、階段から落ちてケガした可愛そうな小学生がいた…"

と聞いていたから、らしい。



成美「……小学生か…ふふっ。」

俺の隣で笑う。



冬獅郎『俺は小学生じゃねぇ!!』




これでも高校生だ…


確かに身長はかなり低いが……




冬獅郎『……成美は何をしてたんだ?』




成美「ん……??
あっ、向日葵みてたの…

好きなんだぁ…向日葵…
向日葵が咲く夏も好きなんだ〜♪」



冬獅郎『……向日葵…。』


ふと、窓の外を見ると、
太陽の下で風に揺れる向日葵がたくさん咲いていた……



冬獅郎『……綺麗だな…』



成美「でしょッ!!?」

成美が笑う。


…そんな感じで、
不思議と成美とは簡単にうちとけた。




成美が手を後ろへ組みぐぅーと背を伸ばすと呟いた。


成美「……階段から落ちた…のか…






まあ…

生きててよかったね………。」



突然成美は意味がわからない言葉を発した。

それに急に切ない顔をする成美。


俺は一瞬言葉が出てこなかった。







冬獅郎『……



成美はなんでここにいるんだ?』



やっと出てきた言葉がこれ。



怪我はしてなさそうだから……


成美「私……??私は…













病気なの………。」






冬獅郎『病気……??』



成美「あっ、でもたいした病気じゃないよ!!
すぐに治るってお兄ちゃんもいってたから!!」



冬獅郎『お兄ちゃん?』


成美「そう、私のお兄ちゃんはここの病院の医者なの!!」


冬獅郎『すげぇな…』




ん??

まてよ…





成美のお兄ちゃんが医者って事はつまり…














冬獅郎『お前の兄貴が俺のこと"小学生"っていったのか!?』



成美「せいかぁーい♪」









まっ成美と話すきっかけを作ってくれた人だ………



成美「お兄ちゃん…いじめないでね?」





いじめるも何も……









感謝してる………








冬獅郎『そんな事しねぇよ…』





成美「約束だよ?」





冬獅郎『……あぁ………。』




成美「じゃぁ〜はいっ」



冬獅郎『……おっ…おい////』


そういって成美が俺の小指を絡ませて指切りした。
















そんな冬獅郎と成美を気にくわない人が1人いた………




美波「シロちゃん……」


美波は病室のなかから聞こえる笑い声に嫉妬に近い感情が込み上げていた。



私…シロちゃんのそんな笑顔見たことないよ?


私よりその女がいいの?


一護「………美波」


切ない顔をする美波を隣でみていた
一護も複雑な気持ちでいた………。









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