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私の声、君の声 19/9ページ












成美「はぁッはぁッはぁッ…ついた………っ」


バスを乗り継いで試合会場へついた。


空座第一高等学校のメンバーが今までの努力を無駄にしないように精一杯ボールを追いかけている。


それは冬獅郎も同じだった。





朝、誰よりも早く学校にきてボールを蹴っていた冬獅郎を一番近くで見てきたのは私で………



放課後だって遅くまで練習していて………



なのに私は………



成美「冬獅郎……」


美波「遅いよー!!!!!!成美ちゃん!!早くとめて!!これ以上走り続けたら…………」

私のところまで駆け寄ってきた美波。

だけど美波の言葉を流す。


成美「冬獅郎!!!!!!




私の声…届いて…ッ!!






















冬獅郎『………成美?』





どうしよう………


まわりの歓声で消されると思ったら………

ちゃんと届いたよ………


冬獅郎に届いたよ………











成美「がんばってぇー!!!!冬獅郎!!!!



















冬獅郎『あぁ………』




微かに動いた唇。

いつもと変わらないあの愛しい笑顔…




私には聞こえたよ。冬獅郎の声。




美波「成美ちゃん!!?わかってていってるの!?もしあのままボールを追いかけたら………」


成美「……………。」


わかってる………


もしこのまま無茶したら………



でも…………




ここで全力を出さなかったら………





私が後悔する………






何より一番後悔するのは……








地道な努力をしてきた………













冬獅郎だから………













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あきゅろす。
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