遠回りな未来
小さな芽 E
「たまにはさ…気分転換もしないと」

ちょっと変わった慧の口調に、僕は顔を上げた。
そしたら、慧は子供をあやすような目をしていた。

もしかして…『あの事』を知って…。

知られても、慧になら構わないかなって思う反面、気付かれてるなんて予想してなかったから、僕の鼓動は早鐘のようになる。

まさか…だって、慧とは高校で初めて出会ったんだもん。
真幸先輩の事だって知ってる訳ない…。

知ってたとしても慧なら言い触らさないって信じてるけど、正直まだこの『傷』には触れて欲しくなかった。

今だって、自分の気持ちを必死で押さえ込んでるのに…。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!