遠回りな未来
小さな芽 C
「あ〜もう! じれったいなぁ!」
慧が急に声を張り上げるから、僕は驚いて顔を上げた。
「暗い気持ちは暗い事しか運んで来ないんだよ!?」
そう、慧の言う事は正論だったけど、その通りに心をコントロールできるかって言われれば、また別の話だ。
忘れるには、まだ時間が短すぎる。
「そーいう訳で、昼休みは校内探検に決定ー!」
「…って、ええっ!?」
何でいきなりそうなっちゃう訳?
僕には慧の思考がまったく読めなかった。
追求しようとしたけど、慧が席に戻ってしまって次の授業の先生が入って来たから断念しなきゃいけなかった。
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