遠回りな未来
自分の気持ち C
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

体もだるいっていうのに、今日は昼から体育…で持久走…。
よりにもよって今日って…。

見学しようかとも思ったけど、じっと座ったままだと余計に気が滅入りそうだったから、参加する事にした。

だけど、走ってすぐ後悔。
息はしづらいし、頭はグラグラするし…。

う〜っ、やっぱり休もうかな。

まだ全快じゃない状態で走って無理してもしょうがない。

先生に言おう…。

そう決めて顔を上げようとした時、不意に膝の力が抜けるような感覚に襲われた。

…と、同時に目の前が真っ白になった。

助けを求めて声を上げようとしても、うまく舌が回らない。

地面が目の前に迫り、衝撃を受ける前に僕の意識は完全に閉ざされた。


『輝希…っ!』


慧の叫ぶような声が聞こえた気がしたのは、僕の勝手な願望なのかもしれない。


ごめん、慧…。


心の中では何回も謝ってるのに、僕ってば慧本人には何も言えてない。

誠意を見せるって誓ったのは自分自身なのに、相手の態度とかを気にしてる場合じゃないよね。

むしろ相手の態度は関係ない。

大事なのは『自分』なのに…。


目覚めたら、ちゃんと慧の前に立って言うよ。





だから…。





僕を、もう一度『友達』にして…?


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