遠回りな未来
自分の気持ち A
結局、熱が尾を引き3日たってようやく38℃を切るようになった。

今までそんなに学校を休んだ事がなかったし、熱も出て動けなかったから3日間ただぼんやりと過ごした…。

でも、心の中では登校したいようなしたくないような…複雑な気持ちを抱え続けた。


そして、熱が37℃になった途端、母さんは僕を学校に放り出した。

まだ体がだるい、頭が痛い…色々反論しても、母さんの耳には通じなかった。

行きたいけど行きたくない…。
この複雑な心境が理解できないのかね。


学校までの道のり、僕の足取りは今までの人生で一番重かったはずだ。

まさにトボトボ歩くっていう表現がピッタリな後ろ姿。

校門をくぐる頃になると、ちらほらとクラスメートが心配して声をかけて来た。

僕は…慧の事が気になって、かけてくれた言葉も全く頭に入ってなかった。
ただ曖昧に返事をしただけ…。
自然と慧の姿を探している自分に気付き、我に返るのもしばしば。

昇降口から教室に向かう途中は、クラスメートと一緒だった。
だから少しは気も紛れたけど、やっぱり教室の前まで来てしまったら…僕の足は竦んでしまう。


慧に何て言おう…。
それ以前に、慧は僕を『見て』くれるのかな…。

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あきゅろす。
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