遠回りな未来
自分の気持ち @
『大っ嫌い!!』
あれは…間違いなく僕に向けられた言葉。
親友の気持ちを踏みにじった僕に向けられた言葉。
過ぎてしまった事を何度も後悔しても仕方ないけど、それでも僕は後悔せずにはいられなかった。
自分で招いた事だけど、やっぱりショックは大きくて…翌日僕は39℃の高熱で学校を休んだ。
熱にうなされてぼんやりはしてたけど、慧や柚原先輩の事を何度も夢に見た。
目が覚めたあとは、さらに罪悪感が募った。
ごめんね、慧…。
ごめんなさい、柚原先輩…。
僕には、ありきたりな謝罪の言葉しか浮かんで来なかった。
二人の傷はこんな事で癒えるはずもないのに…。
柚原先輩の事は自分で振り払ったんだから仕方ないけど、慧の事は僕の人間性にかけて諦める訳には行かなかった。
許してもらうにはかなりの時間がかかると思う。
でも、その時間は僕の罪の重さに比例するんだ。
僕はそれを受け止めなくちゃいけない。
「あんたでも風邪ひくのねぇ」
そう言って姉の幸(みゆき)はからかったけど、熱でぼんやりしてるのと罪悪感にヘコんでるのとで反抗する気も起きなかった。
いつもだったら膨れっ面ぐらいしてるはずだけど。
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