遠回りな未来
小さな芽 B
「ほら、またぼぉっとしてる!」
目の前に指を突きつけられて、僕はネガティブな思考から引きずり出された。
「だから違うって…」
ほんとは動揺を吹き飛ばすように力強く否定したかったのに、言葉に力が入らなかった…。
「恋でもしたら、人間変わるかもよ?」
「え…」
『恋』っていう言葉は酷く誘惑的だったけど、真幸先輩の事を思い出すと胸が苦しくなって後ろ向きになってしまう。
「………」
やっぱり、まだ好きなんだと思う。
あれから当然再会なんてしてないけど、その状態でこんなに苦しいんだもん。
そんな事を考えてると、僕は自然と俯いていたらしい。
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