遠回りな未来
交錯 L
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だけど、あの態度は絶対変に思われた。

あの時、校舎に戻ってく柚原先輩の姿は見てない…確認する勇気もなかった。

先輩に対する態度じゃなかったけど、慧への秘密を守るためにはああするしかなかったんだ…。


翌日、慧が頼まれ事をされて教室にいなかった授業の合間の休み時間、柚原先輩が教室にやって来た。

当然周囲は騒然だ。
名前も知らない生徒が何人も教室をのぞき込んでいる。多分、近くのクラスの生徒なんだろう。

な、何でココに来るんだよ〜!

できたら関わるのは避けたかったのに、柚原先輩は僕の気なんて知りもしないで話を進めて行く。

慧が帰って来るかもしれないっていう焦りの中、聞き取れたのは『昼休みに社会準備室で話がある』ってとこだけ。

授業の合間の休み時間は10分しかないから、柚原先輩はすぐに帰って行って慧と鉢合わせにはならなかった。

慧が戻って来る頃には次の授業の先生もやって来たから、自然と騒ぎも収まっていて僕は一人で安堵していた。

もう…一生分の焦りを使い果たした感じだ。
まさか、柚原先輩が教室に来るなんて思ってなかったから。
慧と鉢合わせなかったのは、僕にとっては奇跡に近い。


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