遠回りな未来
交錯 M
でも…、
行かない。
だって、僕がこれ以上柚原先輩と会う意味なんてない…。
いつまでも慧に後ろめたさを感じたくないし。
こんな事を続けてたら、いつかはバレてしまう。
気付いた時には引き返せない場所にいるかもしれない。
そんなリスクを負う必要性も感じない。
だから………行かない。
僕には、慧との関係の方が大切だから。
柚原先輩との約束を無理矢理心に沈めたまま、僕は昼休みを迎えた。
クラスメートたちとの取り留めのない会話…勉強ばかりの中で、唯一癒される時間だ。
一瞬、何もかも忘れてしまいそうになる。
こうやって、クラスメートたちに囲まれて楽しく過ごせたら…それこそ理想の学生生活じゃない?
だけど、そんな僕の理想はすぐに吹き飛んだ。
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