遠回りな未来
交錯 A
『どうしたの? 大丈夫?』

3日後ぐらいだった。
誰とも話そうとしないで、ずっと下を向いたままだった僕に慧が声をかけた来たのは。

そのあと、慧がクラスメートの輪に入れてくれて、今の状態にある。

本当にその時まで、僕は誰一人としてクラスメートの名前も知らなかったんだ。
…ちょっと違うかな。クラスの自己紹介の時に聞く気も憶える気もなかった…。
だから、心に残らなくて当然だ。

今考えると、何てバカな事をしていたんだと思う。


もう会わなくなってしまった人の事でどうこう悩んで何になる?

真幸先輩がいなくたって、僕は生きて行かなくちゃいけないんだ。

勉強して、進級して、食べて、遊んで、笑って…。

それは、僕の心と体だけができる事。
ほかの誰も代わってはくれないし、代われない。
だから僕自身がやらないと!

自分のために。


そう決意したのをみんなは知らないだろうけど、それからは自然と周りに人が集まるようになった。

きっかけはちょっとした心変わりなのかもしれない。
気持ちが変わるだけで、入学した頃の一人でいた日々なんて嘘のようだ。

まぁ…あの時は好き好んで一人でいたんだけど…、それは絶対にみんなには内緒。

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あきゅろす。
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