遠回りな未来
告白 J
「じゃあ、俺が…だいぶ遅いけど、お前のためだけのサンタになってやるよ」

「え…?」

突拍子もない言葉に、僕は思わず視線を戻した。

「どうせ何ももらってないんだろ? ほら、プレゼントをもらう時は目を閉じるもんだぞ」

そう顎で示しながら叱るように言われて、さすがにむっとなったけど抗っても勝てない気がして、おとなしく目を閉じた。

でも、プレゼントをもらう時に目を閉じるなんて誰か言ったかなぁ…。
心当たりがないんだけど。

ない頭で必死に考えてると、不意に肩を掴まれた。

「!」

びっくりして目を開けると、柚原先輩の顔が目の前まで迫っていた。

『よけなきゃ!』って思っても、体はそう簡単に俊敏には動いてくれなくて…。
柚原先輩は肩ごと僕の体を抱き寄せて唇をふさいだ。

「…っ…や…っ」

必死で顔をそむけたけど、次は顎を捉えられて少し乱暴に口接けられた。

僕は自由な左手で柚原先輩を押し返そうとしたけど、日頃大して運動もしてない帰宅部とサッカー部のエースとでは最初から力の差は歴然としていた。

だから、結局僕は抵抗らしい抵抗もできなかった…。

「ん…っ」

それでも必死でもがいてると、ようやく柚原先輩は唇を離してくれた。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!