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「ナナリーには何も話すなよ。
殺すなとC.C.は言うが関係ない。
話した時が、お前の最後だ」
ルルーシュの片目が緋色に染まる。
いつでもお前は殺せるんだ的な脅しみたい。
あたしも睨むように見つめ返した。
「あたしはなにも言わない。
ルルーシュが不利になることも、ナナリーが悲しむようなことも」
それがあたしの本心。
信じてほしいけど、今のルルーシュには届かないだろう。
でも、あたしの気持ちだけは聞いてほしかった。
「言ってあたしが何か得する?
あたしにはここしか居場所がないんだよ?
ルルーシュしかいないんだよ?」
言ってみて、
なんかこれ告白…?
と、不意にそんな考えが頭をよぎった。
沸騰したんじゃないかってぐらい、急激に顔が熱くなる。
「とっ………とにかく!
あたしはあんたの敵じゃないってこと!!
だから殺そうとか考えないでよねっ!!」
言うと同時に、あたしは階段を駆け上がった。
穴があったら入りたいって多分こんな気持ちなんだろうと、そんなことを考えて。
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