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3-6
ルルーシュの部屋に帰宅して、一番に聞いたのは熱狂的なブリタニアコールだった。
暑苦しい。
それがあたしの抱いた感想である。

「おかえり。
……どうした?
そんなトコで立ちつくして」
「なんでもない。
ただ、ブリタニアっていう国がどーいう国か分かっただけ」

息子の死すらどうでもいいと言いたげに、皇帝が貫くのは自分の主張。
それに疑問も持たずに支持する奴らに、あたしは呆れの感情しか持てなかった。
C.C.が陣取るベッドまで歩きつつ、チラリと皇帝を横目に見る。

「主張もすごければ髪型もすっごいよねぇ、この人」

『生まれた時から死んでる』発言に、あたしはヤツに対していい感情は抱いてない。
むしろ、何を考えてあんなことを言ったか一回話を聞いてみたいよ。
不機嫌そうなあたしとは対照的に、C.C.はどこか楽しげだった。

「お前だけだぞ。
ブリタニア皇帝相手にそんなこと言える人間は」
「画面越しだからね」

好き勝手言えるのはそのおかげだ。
本物と対峙すれば、きっと圧倒されて何も言えないに違いない。
苦笑し、パソコンへ視線を戻す。
いつの間にか、映像は追悼式から普通のニュースに切り替わっていた。

「ニュース見る?」
「いや、私はもういい」

興味が無くなったのか、C.C.はごろんとベッドに横になった。
あたしもどちらかと言えばニュースよりも他の番組だ。
気兼ねなくチャンネルを変えていく。
番組が変わっていく中、目に映った番組にピタリと手が止まる。

かろうじて木の形が残ってる炭の連なりと湖の映像。
英語で表示された地名にあたしは言葉を失った。

「どうかしたか?」

衣擦れの音がした。
多分、C.C.が体を起こしたんだろう。
あたしは、パソコンから目をそらすことが出来なかった。

「――――C.C.は奥多摩湖って知ってる?」
「いや、初めて聞いた名だ」
「東京から電車で2時間ぐらいで行ける距離―――って言ってもあたしの世界の話なんだけどね。
あたしのいた世界は、ブリタニアが存在しないだけでこの世界とほとんど変わらないんだ」

今でも鮮明に思い出せる春の景色。
だけど今、目に映る映像は真逆に違った。

「あたしの世界でのここは、桜が満開に咲いてすごいキレイだったのを覚えてる。
だけど、この世界では違うんだね」

言葉にできない寂しさに胸の奥が軋む。
パソコンの電源を落として、窓の外へ視線を向けた。
空の色は夕暮れの色を帯びている。
間もなくルルーシュが帰ってくるだろう。

「出迎え行ってくるね」

C.C.は苦しそうな顔をしてた。

「そんな顔しないでよ。
ただ…違うなって思っただけだから」

寂しい。
その気持ちが胸を締め付けて苦しかった。
だけどそれを表には出せない。
誰にも、あたし自身どうすることもできないから。





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あきゅろす。
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