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2-3
カッターシャツとスカート。
『何とかなるっしょ』と楽観視していたあたしの変装は、周りの女子生徒と比べて見るとすごい違和感があった。

バレないかヒヤヒヤしたものの、先生には挨拶されただけである。
なんて言うか拍子抜け。
だけど、よく考えれば好都合だ。

順調に進んでるかと思いきや、あたしは最大の壁にぶつかった。

「ここどこ?」

校舎が広すぎて、
階段が多すぎて、
自分が今、校舎のどこにいるかすら分からない状況に置かれしまった。

「どうしよう…。
これじゃあスザクどころの問題じゃないって」

あたしは運が悪いのか、生徒そのものと出会わなかった。
これじゃあスザクが転入したかどうかも聞けないじゃないか。

あ、でも。
スザクは転入したその日にルルーシュが連れて来てくれる。
なら、それを待った方がいいんじゃないの?

結論が出ても、根本的な問題は解決していない。
あたしは自分が今どこにいるかすら分かっていないじゃないか。

やっぱり誰かに聞いたほうが―――

「ねぇ、あなた誰か探してる?」
「困ってんなら、俺らも一緒に探そうか?」

後ろから聞き覚えのある声がした。

それもそのはず。
声の主がシャーリーとリヴァルだったから。

振り返って確認する。
やっぱり彼らだ。
アニメじゃない本物の。
感動で言葉が出なくなった。

「お、なかなかの可愛い子ちゃんじゃん♪」
「………リヴァル。
あんた目的忘れてるでしょ」

呆れ顔のシャーリーは、改まってあたしに向き直る。

「探すの手伝おうか?
あ、いきなりごめんね。
すごく困ってるように見えたから」

シャーリーの笑顔が涙でにじんだ。

「あっ!
ごめん、驚かせちゃった?!」
「ううん、嬉しくなっただけだから。
ありがとう」

誰かの優しさで泣くなんて。
ルルーシュの態度は思った以上に、あたしに多くのダメージを与えていたようだ。

涙を拭い、大丈夫だということを笑顔で伝える。
シャーリーがホッと胸をなで下ろした。

「そっか、良かった。
探してる人ってなんて名前?
できれば学年やクラスも教えてほしいな。
ホラ、ここ広いから」
「ま。 さすがに迷うことはないけどさ」

迷った人がここに一人。

「…そ、そうだね。
クラスは聞いてないから分からないけど、名前言ったら分かるかな?
枢―――」

――ってちょっと待て。
転入してきたか分からないのにスザクの名前出していいの?

「くる?」
「う、ううん。
気にしないで」

ヤバい、地雷踏むとこだった。
こういう時は核心を突かずに遠回しに言うのがベストだよね。

ルルーシュ達の学年は2年だ。
けど、どこのクラスかは知らない。
こういう時なんて言えば…。

「枢木スザク?!
え!? お前のクラスに転入してきたって!?」

あたしが知りたかった答えを言ったのは、向こう側からこちらへと歩いてくる男子生徒だった。
並んで2人歩いてくる。



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