2-2
目が覚めたあたしはなぜか、握った拳を天井に向けて突き上げていた。
「……れ?
………………夢?」
手を下ろして、ぼんやりした頭で思い出す。
「……………変な夢」
聞いたことない子供の声だった。
「後戻りできなくなる……か」
ようこそ
『 』の道へ
空白のように聞き取れなかった部分があった。
あの声の主は、結局何が言いたかったんだろう?
「……まぁいいや。
次、夢ん中出てきたらまた聞いてみよう」
考えても仕方ない。
あくびをしながら寝返りを打てば、窓の外の異様な明るさが目に入った。
…………って、今何時?
更に寝返りを打って壁に掛けられた時計を見る。
余裕で昼を過ぎていた。
「寝過ぎた!!」
転がるようにベッドを降りる。
が、すぐに思い出した。
「――――あ。
そっか、違うんだった」
『平日はいつも学校』
そのあたしの日常はもう変わってしまったんだった。
「………なんだかなぁ」
これでいいのだろうか?
毎日休日ってのは憧れていたけど、このままじゃ絶対いけないって思うんだよね。
「―――よし!
どうせならスザクがいるか調べようっと」
校舎に潜入捜査だ。
問題は先生に遭遇しても怪しまれない服装。
だけどその点は大丈夫。
「あんまり見分けつかないよね。
カッターシャツとスカートで何とかなるっしょ」
あたしは初めて、自分の学校指定のスカートがここの物と似た色合いだったことに感謝した。
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