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2-1
色という色を失った、闇だけがただ広がっている空間。
気づけばあたしはそこにいた。

「やっぱトリップしても見るモンは見るんだね」

マリアンヌさんの助けを求める声に応じたから、闇の世界の夢を見ることはないと思ってたのに。

「マリアンヌさん。
何か言い忘れたことでもあるの?」

闇へと問いかけてみたけど、マリアンヌさんの声は聞こえない。

「マリアンヌさん?」

静寂。
やっぱりマリアンヌさんからの返事は無い。
どうしたんだろう…?


    ここが

キミが進もうとしている
   結末だよ



突然、あたしの耳元で誰かが囁いた。
驚きで心臓が跳ねる。

「誰?!!」

振り向いて後ろを確認するも、闇だけがただ広がっていた。


  キミが選んだ道は
    進めば
 後戻りできなくなる

   それが代償だ  



声がした。
また後ろからだ。

聞き覚えのない、子供の声。
進めば後戻りできなくなる…?

「それって元の世界に帰れないってこと?」

返ってきたのは沈黙。
違うの?

「なにが言いたいの?
後戻りできなくなるってどういう意味?」


  そのままの意味だ

  進めば後戻りが
   できなくなる
それでもキミはこのまま
    進むの?



そして再び沈黙する。
まるであたしの答えを待つように。

正直、進むのかどうか聞かれてもワケが分からない。

だけど―――

「ルルーシュを助けるって、あたしはマリアンヌさんと約束した。
だから」

後ろで小さく笑った気配がした。


    それが
  キミの答えだね  

    ようこそ
 『   』の道へ

   ずっとキミを
   待っていた



すぐ目の前で小さな輝きが生まれた。
球体のようなそれに手を伸ばす。

夢の終わりを掴んだ気がした。





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あきゅろす。
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