1-8
「鼻で笑うことないじゃないルルーシュのヤツ!!」
当の本人は今、ナナリーとの夕食でここにはいない。
C.C.の要望でピザを注文してくれたが、あたしはルルーシュへの怒りでそれに手をつけられなかった。
「何を聞いても認めたくないんだろう、ヤツは。
時間が経てば信じざるを得ないだろう。
気にするな」
C.C.の言葉は優しくて、怒り狂っていたあたしの気持ちが穏やかになっていく。
「……そうだね。
気にしたほうが負けなんだよね。
でもさ、どうしてC.C.はそんな簡単に信じてくれるの?
あたしなら『違う世界から来ました』なんて言われても、すぐには信じられないと思う」
どうして、声も言葉も表情も優しいんだろう。
出会って1日も経ってないのに。
「………どうして、信じてくれたの?」
むしろ、ルルーシュの反応が当たり前のはずなのに。
「ギアスが効果を成さないのは、私のような存在か、もしくは異界の人間のみとされている。
お前にギアスが効かないなら、異界の人間というのが妥当だろう。
それに、お前の瞳は嘘を言っていない。
――――それだけだ」
穏やかな口調で言い切って、C.C.は手にしたピザを完食した。
本当にそれだけの理由なんだろうか?
たったそれだけで信じてくれたのは嬉しいけど、胸に消化不良のモヤモヤが残る。
「空、手が止まっている。
冷めない内に食べたほうがいい」
「あ、うん」
言われるまま、冷めないうちにピザを口へ運ぶ。
そのせいか、C.C.に気になったことを聞くのも、ありがとうを言うタイミングも失ってしまった。
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