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短編集
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そして、絵を見た時。


アリファエルは、人知れず、絶望の底に落とされた。





一度だって、自分は優しく微笑む父を見た事はない。


大事にはされている。


だが、それは何の為?。


次第に、自分の中で、膨れ上がる大きな不安。
自分という存在に、アリファエルは、苦悩した。





だからこそ、アリファエルは父に聞いたのだ。

あの絵の人物は誰なのか?。

何故、側に置かないのか?。


その結果。



アリファエルは、父の凄さを目の当たりにした。


父は、皇帝という存在であり続けている。


自分という存在は、皇帝にとっては、必要不可欠な存在だろう。



そして、あの時の事は、幼いアリファエルの心に、本人も知らない小さな傷が付いた瞬間だった。


傍目には、アリファエルは栄華を約束された立場にいる。


だが、実際は誰よりも孤独で、光りすら当たらない闇を歩いていた。





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