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小説「宵闇の皇子様と明星の皇子様」
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だから、試しにある発言をした。


「普通、女なら子供を産みたいって思うもんだろう」

しかし、そのガイゼルの発言に、マリエッタは、些か不機嫌な顔と声音で。
「ガイ…。あなたって、考えが固いのね。女だからって、その誰もが、子供を欲しがる訳じゃないわ。それに、子供は玩具でも、道具でもないのよ?。無責任に作って良い存在じゃないわ」
と、言い放ち。
更には。


「あなた、子供が欲しいなら、私とじゃなく、別の人と作るべきね」

と、言った。



しかし、子供自体は嫌いな訳ではないらしい。


その証拠に、マリエッタは密かに帝都内にある幾つかの孤児院へ月に何度も、慰問をして孤児達を可愛がっている。


特に、まだ乳離れの済んでいない赤子を腕に抱く時、その顔は慈愛に満ちていたと、報告が来ている。





愛情は要らない。


必要なのは、共に歩む事。


子供は不用意に作るべきじゃない。



そうはっきり明言する相手に、この事態をどう告げれば良いのだろうか?。

決して強くは言えない。




だが、皇妃という立場の人間に、マリエッタに子供が産まれる事が民の願い。




将来、強い力を持つ皇妃に子供が居れば、皇位継承のゴタゴタが起きる確率が下がるなら、産んでもらわねばならいないのだろう。




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あきゅろす。
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