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小説「宵闇の皇子様と明星の皇子様」
3
先々帝には、三人の側室に、一人ずつ皇子がいた。


だが、第一皇子は病弱な生れで、成長してからも、まともに床から出る事もままならず、第二皇子は健康だが、産みの母が奴隷上がりの為、それが障害となった。


そうなると、必然的に第三皇子だが、健康であり、母親の身分も高いトーガは皇位第一継承者という立場に立たされる。



この事もあり、先々代皇妃と側室との元から悪かった仲は、最悪だった。



だが、先々帝が病に倒れると、状況は一変した。




病床の先々帝に、子供の居ない皇妃が、第二皇子の後見人を願い出たのだ。

これには、先々皇妃のある思惑があった。




だが、そこから先は、語る事を躊躇いたくなる程の醜い争いが、周りを巻き込み繰り広げられた。




そして、簡単に結果だけを言うなら。



実の子を持つ側室の勝ち。


先々代皇妃は、土壇場で、実の子でない第二皇子に裏切られた上、一連の騒動の責任を取る形で、帝都から遠く離れた離宮へと追いやられてしまった。

そして、全てに決着が着いた後も、この一連の騒動は、民に深い傷を残した。




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