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小説「宵闇の皇子様と明星の皇子様」
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その日、ジークフリードがいきなり、執務室に来たかと思えば、開口一番。


「父上。カウザー王国の第一王女ウルリカ姫を私は、皇太子妃に迎えたく思います」

と、言った事で、ガイゼルは。

「な、何?ジークフリード。今、なんと言った…?ウルリカ姫と言ったか?あの男装の姫君のウルリカ姫か?」

息子の発言に、混乱しながら、そう聞き返すしかなった。


ジークフリードは、そんな父親を前に、冷静に答える。


「はい、私は男装の姫君と名を持つウルリカ姫を皇太子妃に迎えたいと言いました」


聞き間違いであってくれと、少しだけ思っていたガイゼルだったが、聞き間違いではないようで、頭が痛くなってきた。


何で、よりにもよって、ウルリカ姫なんだ?と、思った。


ジークフリードよりも、10才年上であるウルリカは、あまり評判が良いとも言えない



二十歳を過ぎても、結婚出来ないのには、出来ないなりの理由が存在する。



まぁ、ウルリカの場合は、男よりも男らしい男装の姫君だったからだが、それでも、二十歳を過ぎ、30間近の姫君を皇太子妃にとは、外聞が良いとは言えない。



だが、ガイゼルは、すぐに。



この息子は、良くも、悪くも、マリエッタに、瓜二つ。



だからこそ、何かしらの考えがあるのだろうと、思い直し、再度、聞いた。





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あきゅろす。
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