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小説「宵闇の皇子様と明星の皇子様」
彼の望み
時とは、早く過ぎるもの。



子供だったジークフリードとアルビオールも、共に18才と成っていた。





ジークフリードは15才の時、皇太子として、皇帝より正式に指名され、職務に励んできた。




そして、最近では周りから、皇太子妃選びを迫られる様になった。




今までなら、その度、のらりくらりと、その件を保留にしてきた。

しかし近頃では、そろそろ動いても、良い頃合いだなと、思う様になっていた。






やはりというか、ジークフリードが五才で、自分の妻と定めたウルリカは現在も、独身である。



ウルリカは王族としては、完全な行き遅れと成っていた。




だが、ウルリカの容姿は悪い訳ではない。


どちらかと言えば、美女の類に入るだろう。


紫色の切れ長の瞳に、スッと通った鼻筋、ぽってりとした唇。



女性としては、やや高身長ではあるが、その身長が逆に、彼女の魅力を引き立たせていた。



ウルリカには、凛とした美しさと、その中に、少しの色気が見えていた。



しかし、男装の姫君の名は、彼女から結婚を遠のかせた。






だが、それはジークフリードにとって、喜ぶべき事だ。



三年という期間で、皇太子としての地位も、安定してきた。


今ならば、ウルリカを妻と望んでも、誰にも文句は言わせないだけの力が、ジークフリードにはある。




だが、このジークフリードの考えを13年経って初めて聞く人物が居た。





それは、父であるガイゼルだった。



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あきゅろす。
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